夜ざくらはひやざけ飲みのさむさかな

【読み】

よざくらはひやざけのみのさむさかな


【季語】

夜ざくら(夜桜)〈春〉


【語釈】

ひやざけ(冷や酒)――燗(かん)をしていない酒。冷たい酒。れいしゅ。ひや。

[精選版 日本国語大辞典]


【大意】

燗をつけずに酒をのむひとにつのる、夜ざくらの寒さである。


【付記】

日本酒は燗をつける前提で飲むものだったようである。燗をつけていない酒をわざわざ「冷や酒」と称することがその傍証である。


サクラの時期になっても夜間は肌寒くなることが多いと思う。そんなときはやはり温めた飲食物(特に飲みもの)が恋しくなるのではなかろうか。


なお、「冷や酒」は夏の季語のよし。


【例句】

水無月みなづきは腹病やみの暑さかな 芭蕉


塩鳥の歯にこたへたり冷し酒 暁台きょうたい

冷酒と親の意見は後薬あとぐすり

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