都会こそわりなくさびし秋の暮

【読み】

とくわいこそわりなくさびしあきのくれ


【季語】

 秋の暮〈秋〉


【語釈】

わりなし(理無し)――①道理に外れている。分別がない。わきまえを失っている。理性でどうにもならない。 ②無理である。強引である。 ③どうしようもなくつらい。たえがたく苦しい。こらえきれないほどである。どうにもやるせない。 ④やりようがない。どうしようもない。仕方がない。やむを得ない。余儀ない。是非もない。 ⑤どうしていいかわからない。途方にくれる。困ったことである。 ⑥やっとのことである。かろうじてである。 ⑦程度が分別を超えている。どうしようもないほどである。はなはだしい。ひととおりでない。⑧言いようがないほど美しい。非常に感動的である。⑨格別すぐれている。殊勝である。⑩一通りでなく親しい。分別を超えて親密である。切っても切れない。⑪いじらしい。とてもかわいい。[精選版 日本国語大辞典]


【大意】

都会こそどうしようもなくさびしい秋の夕暮れである。


【附記】

多くの人でにぎわっているのにかえってさびしいことを、「わりなく」の語で表現した。


【例句】

痩せながらわりなき菊のつぼみかな 芭蕉

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