第2話 そこまでだ!

 「ゲッゲッゲッゲッ、愚かな地球人共よ。星もろとも壊してくれる..」


「そこまでだ怪人!

お前の好きにはさせないぞっ!」


「……。」


なんか始まってるし急に。

さっきと同じ場所だよね、オレがアイス買って帰って来る間に何があったのよ。「そこまでだ!」じゃないよ。


「貴様はヒーローか!」

見たまんま答えるなよ、赤いタイツみたいなコスは絶対そうでしょ。


「本当は5人いる!」

万全じゃないじゃん、備わってから来なよ。女いないのに今紅一点だよ?


「ならば少し待ってやろう!」

アイツやさしっ、待ってくれるんだ。見た目思いっきり怪人なのに、腕に槍的なの付いてて。


「..有難う御座います!」

お礼言った、マジかよプライド皆無じゃん。お辞儀深っ、ホチキスみたいだお前もう一度負けたからね今。


「フハハハ!

一人で何が出来る、諦めろ!」


「くっ、俺はまだ負けていない!」

直ぐ仕切り直した、そこはプロだな。

やめて、急にプロ感出すの。


「そこまでだ!」「何者だ⁉︎」

「建物の屋根の傾斜でも平然と腕を組み立っている声から察するに男であろうあのシルエットは!」

何その説明、「全身タイツで性別わからない」とかいいから。

コスの裏側見せちゃってるじゃんレッド、察するに真面目だろお前。


「待たせたなレッド!」

「ブルー、来てくれたのか!」

普通一緒に行くけどね、戦隊ならさ。

..ていうかタイツ緑じゃね?


「ブルー..あれ...グリ..いやブルー。」

怪人戸惑ってる

だよな、緑色の奴がブルーって言ってんだもんな、変な嘘付いてんだもんな


【お前なんでタイツ緑なんだよ?】

【仕方ないじゃないッスか、汚れてたからクリーニング出したんスよ、コレドンキのやつッス。】

小声で揉めてる、ブルー敬語だレッドに。なんかヤだな素のブルー雰囲気。


「一人増えたからなんだというのだ!

非力な者が増えた所で意味は無い!」

持ち直した、プロだあの敵

「おのれ怪人!

まだ戦うというのかっ!」

さっきから怪人って呼ぶのやめて、名前とかそういうの無いの?


「フハハハ!

このババルス様が諦めるとでも?」


「争いを好むか、愚かだな怪人!

直ぐに宇宙に送り返してやるからな」

名乗ってくれたのに頑なだな。

もう絶対呼ばないって決めてんだ多分


「そこまでよっ!」

タイミング悪。

「あの屋根に上にいるのは..!」

なんでみんな屋根の上にいるの?

「マストよ!」

聞こえてた、別にマストじゃねぇよ。


「ピンクか!」

口調だけで当てた、悪役だけどお前この中で一番人が良いよ。


「私はピンク、紅一点の女戦士!

レッド、貴方の出る幕じゃないわ。」

屋根から飛び降りた、マストというだけはあるな。凄い慣れてる。

「ピンク、お前...何で緑色なんだ?」


「色落ちに次ぐ洗濯ミスよ。」

お前も緑かよ、堂々とすんなって。

見間違いじゃなかったんだね、屋根の時点で違和感あったけど。

「ピンクさん家事とかできなさそうッスもんね、ミスってる〜!」

うるせぇよブルーお前嫌いだ。


「………んぉのれピンクッ!」

言葉失ってるじゃんババルス様、困らすなよもう。可哀想なババルス様!


「ダメだ、これもう倒せそうにないな

...おいそこの君、力貸してくれ。」


「オレ?」「四人目頼む。」

誰でもいいのかこれ、それとも宇宙人の効力か?

確かに子供の頃から一度ヒーローになってみたいと思ってたけどこういう形は凄い嫌だな、一人足りないし。


「いや、オレじゃ力不足だし..」


「このままじゃ地球滅ぶぞ?」

「何その正義的脅迫、お前が守れよ」

燃え滾る赤がヒーローハラスメントをかましてきた、なんでこんな奴がリーダーやってんだよ。

「早くしろって、あー滅ぶわー、滅ぶ今滅ぶ、すぐ滅ぶぞ。もう滅んだ?」

早く行動に起こさねば

幼少より構築したヒーロー像が崩れてしまう。エンディングで皆で踊っていたあの姿が信用出来なくなるのは嫌だ


「どうなっても知らねぇぞ、変身!」


説明しよう!

スターティンチェンジとは身体中の...


「言ってないしそういうのいいから!腕から部位毎のチェンジカットとかもいらない、スッとやってくれ!」

ただ問題なのは変身の度合いだ、宇宙人の変身能力はいつも微妙に終わる、戦隊モノで微妙な奴といえば...。


「グリーン!!」


「………ぐすっ..。」「...ごめん。」


「宇宙帰る..。」「......ごめん。」

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