第5話:傀儡・悪女ラメリア王妃視点

「ふっふっふっ、魔物軍は確かに役に立ちそうね。

 でもあなたは別、貴男のような愚か者は不用なのよ、スルト。

 だから私の操り人形、傀儡にしてあげるわ。

 貴男が契約した悪魔よりも、遥かに上位の悪魔の情婦となった私に使われるのだから、光栄に思いなさいスルト。

 あら、残念ね、もう自我を失ってしまったのね、意志薄弱で情けない事。

 悪魔を呼び出し契約を交わすには、大いなる資質と意志の強さが大切なのよ」


 もう何を言っても無駄ね、さて、これからどうしてあげようかしら?

 私が永遠の美貌を保つためには、悪魔に多くの生贄を捧げないといけない。

 できるだけ残虐で苦痛に満ちた方法で、多くの人間を殺さないといけない。

 ああ、でも、人間に限った事ではないわね。

 全ての生きとし生けるものを、残虐に苦しめて殺す事、それが大切。


 その為には、多くのを国を支配して、効率よく人を増やし殺していかなければいけないが、その方法を考えるのが難しい。

 まずは人を殖やし、家畜も殖やし、限界まで人と家畜を殖やしてから、殖え過ぎた人間を大量逆殺し、次に余った家畜を虐殺しつつ人間をまた増やすのがいいのか?

 それとも、定期的に人間も家畜も殺す方が効率的なのか?


 まあ、いいです、ここは契約した悪魔が喜ぶことから始めましょう。

 あの悪魔は戦乱で苦しむ人間を生贄に捧げられるのが好き。

 人間の女が下種な男に強姦され、心が壊れる時の魂の叫びが大好きなのだ。

 ふむ、ここはもう少しあの悪魔の趣味嗜好を確かめた方がいいかもしれない。

 人間の女が人間の男に強姦されるのよりも、人間の女が魔物に強姦された時の方が、心が壊れる波動は大きいはず。

 この方法が効率的ならば、少ない数で多くの力が得られる。


「さてスルト、早速役目を与えてあげましょう。

 貴男は領地に帰って魔物の軍団を指揮して人を襲うのです。

 魔物の雄に、人間の女を強姦させるのです。

 そうですね、私は優しいですから、貴男の望みをかなえてあげましょう。

 貴男が恨みに思っていた、ノヴァが治める領地から襲っていいですよ。

 確か、ブラント男爵領でしたね、大魔境にも近いですし、直ぐに襲えますね。

 恨み重なるノヴァを、魔物に犯させるのは楽しみでしょう。

 なんなら貴男も襲っていいんですよ。

 魔物と一緒に前から後ろから責め苛んでやりなさい」


「ウギャ、ウギャ、ウギャ、ウギャ」


 情けない事、もう人間の言葉も失ってしまうとは、意志薄弱過ぎる。

 その程度だから、妻にいいようにされてしまうのです。

 この世界は弱肉強食、例え悪魔の力を利用しようと、力を持った者の勝ち。

 スルト、お前は弱かったから負けたのです。

 力があれば、私に成り代わる事だってできたのです。

 この世界では弱者は悪、負けた者が悪いのです

 

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