正座

(はぁ~い♪今、私は学園内にある上級貴族寮、ブリュー侯爵家が借りている一室で、私事、キャサリンは既に4時間以上正座をしています!イヱ――――イ!!…グズン(涙))


19時にナタリー嬢に呼びつけられ、50畳程のリビングにて私事、キャサリン令嬢は3時間以上正座をさせられている、既に私の足の感覚は無くなり痛みも感じなくなって変なテンションになっている。


そしてナタリー嬢はリビングの一角にある一段高い上座にて、いかにも成金的なキンキラゴージャスな椅子に座り、優雅にクジャクの羽根の扇子を煽りながら私を睨んでいる、そして私を中心に取り巻きの令嬢10人も私を取り囲み、睨んでいる。


「キャサリンさん、お昼の態度はなんですか?!」


少し苛立っているのか語尾が強くなるナタリー嬢に対し私はと言うと…


(だって仕方がないでしょ?巻き込まれ断罪なんってまっぴらゴメンだし!と言ってもこのままだとナタリー様が王子と結ばれれば国が亡びるし!今の私ができる事と言えば断罪回避か緩和、そしてナタリー様が王子と結婚したら即国外逃亡しかない!)


私がこれから先の事も考えていたら。


「はぁ~貴女って人は、良い事ですの!わざわざナタリー嬢がフローラさんの足を掛けてせいだいにこけたのに、ベルーナ王子とブリュウ公子に見つかったとたんにフローラさんに付いた汚れを落としに行くなんって!!」


私が考え事をしているのをボーっとしていると思ったのか、私を取り囲っている取り巻きの一人に呆れながらも私に丁寧に説明してくれたが、元々ナタリー嬢に対し忠義心の欠片もなく、借金のために仕方がなくナタリー嬢の取り巻きになっている私は、ちょくちょくナタリー嬢の意思に反した行動を取っている、そのためにこのグループの爪弾つまはじきでもある。


「し、仕方がないでしょ…あのままだったナタリー様の非が明らかすぎますし、あのまま王子や公子に睨まれたままにするより少しでもワザトではなく、あくまで偶然と言う事にした方が良いと思いまして…」


「偶然と思ってはくれてはいないようでしたが…キャサリンさんは、あの行動はあくまで私のためだとおっしゃるのですね?」


扇子を優雅に扇いでいたナタリー嬢は、扇ぐのを止め扇子で口を隠しつつ目を細める。


(いやいやいや!ただでさえ正座で3時間も座らされているのに!更にナタリー嬢のキツメの顔で目を細め睨まれたら!それだけで人を殺せるよ!実際私なんって…………あ……天国のお爺様と愛犬だったバトラツシューが迎えに…)


私の魂が身体から抜けて行くのを感じたのであった。

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