ローズ高等学園3年4月

悪役令嬢の大ポカ

まさに春らんまん。小春日和の中桜が街をピンク色に染めています。この世界が私達がローズ高等学園の3年になれたことを祝福しているようではありませんか!これ程の素晴らしき日が年に何回あるでしょうか?!


そんな日によ!そんな日に!!この悪役ポンコツ令嬢ことナタリー令嬢はなんてことを!!




「貴様ら!何をしている!!」


昼食時間の学園の食堂でヒロインこと平民のフローラさんに足を引っかけてフローラさんが昼食を持ったまま盛大にこけてしまったのだ!


それをベルーナ王子とブリュウ公子にばっちり見られちゃいました~(涙)


(あ~これ!断頭台による公開死最悪の刑のうえにさらし首&おバットの取り潰し&家族揃ってエンド死刑にまっしぐらだ―――!!)


あれほどよ!あれほど!!今日のように天気のいい日は、中庭にある伝説の大杉を囲む芝の上で弁当を持ち寄って食べませんか?!って言ったのに!!!!取り巻きの一人が『今日、お弁当を忘れましたの、ですので購買で何か買いたいと思いますの。』!!ヒロインと食堂で鉢合わせない様にしていたのに!おかげで悪役令嬢ナタリー令嬢がフラグ回収をしちゃったじゃない!!しかもよ!よりによって!よりによってよ!!最悪破滅の入り口であるこのフラグをきっちり回収しやがった!!


でも…確かこのイベントってゲームだと1年の秋ごろに有ったような……はっ!!それよりも!私の危機巻き込まれ断罪緩和しないと少しでも刑を軽くしないと!!


この件で断罪回避だけでは難しいと考えて、王子や公子の印象を少しでも良くしておく必要があると考えた私は。


「フローラさん大丈夫ですか?!」


私はフローラさんに近寄り、ポケットからハンカチを出して汚れた場所を拭いていく。


「キャサリンさん!あなた何をしているんですか?!!」


ナタリー令嬢が私の行動が気に入らなかったのか怒りを顕にして私を責めるが。


「それは貴様らの事だ!!」


ベルーナ王子に一括されナタリー令嬢と取り巻き(私を除いて)が顔を青ざめる。


「特にナタリー嬢!!君の行動は目に余る時がある!我が友人であるフローラにこれ以上酷いことをするようなら私が容赦しない!!取り巻きの貴様らも同じだ!!」




読者様もお気付きであろうか?まだこの2人、恋人関係になっていないのです!実はこのゲーム『役令嬢は主人公を攻略できるかな?』は悪役令嬢がヒロインを虐めた場面に攻略対象が出くわす事でヒロインと攻略対象の関係を深まって行くのです!


そして逆に虐めてもベルーナ王子&バーナード公子が出なければ悪役令嬢で攻略できるのです!


まぁ攻略と言っても王様(皇帝)の命令による政略結婚ですけどね!!


〈3年生の12月25日に攻略対象の婚約者発表パーティー、3月の卒業パーティーと同時に結婚となる(ちなみに断罪は3月、即刑の執行|悪役令嬢と婚約した場合、婚約発表後に逆転ヒロインが勝つイベントもあるよ♡)〉


そして前世の私はこのゲーム、死ぬ寸前エンドロールで見てしまった、ベルーナ王子とナタリー嬢悪役令嬢が結ばれたが、ナタリー嬢の我がままと傲慢でベルーナ王子が振り回され、それに伴い国も衰退し、革命が起きた所に蛮族が攻めてきて国が滅びる様を!!(ちなみにヒロインと結婚後は国が更に発展し、幸せな国家が誕生する)


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る