14.


「『僕の』ってなに!?」


ずっと思っていたことをしゅんに聞いた。私の朝がしゅんのものになってたのも謎だったこどとうとう私自身がしゅんのものなの!?


「え? 僕のだよね?」


「男の嫉妬は見苦しいで。俺みたいに女の子とあそべばええのにな?」


「お前は遊びすぎだ。それより、お前ら全員声のボリューム下げろ。周りに迷惑だ。」


花京院くんってよく周りのことみてるよね。男の子って周り気にせず時分が楽しかったらいいって思っていると勘違いしていた。尊敬できるなあ。


「昼休みもう終わりだが次の授業の宿題終わってるのか?」


「あ、やってねえ!! おじさん絶対俺の親父にチクる……。花京院見せてくれ」



菊池くんやってなかったのね。他の人はやって……ないね。あかりも死んだ顔をしている。ヒロインの力なのか今日は何故かあかりからあてられた。めでたしめでたし。


┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈


終礼が終わり、あかり達と別れ図書館に来た。結局頼んだ人って誰なんだろ。あれもう誰か座ってる?



「遅れてすみません」


「あ、かな? 僕だよ、れん。」


「え? なんでここに……」


れんだと気づかなくても仕方がないと思う。れんは眼鏡をかけ、黒いウィッグをつけている。綺麗な銀髪は何処へ!? 話を聞くとお忍びで見学に来ているそうだ。たまたま通りかかった菊池先生に頼まれたらしい。ちゃんと見学だって断れば良かったのにと伝えたら、かなと一緒って聞いたから。と言われた。


「れんはやっぱり元の髪の方が似合うなあ。銀髪の方がかっこいい。いつものれんが好きだよ」


日本人離れしてるって昔は疑問にさえ思わなかったが、やっぱり元の色が1番だ。


「……すき」


「え? あぁ、銀髪の方がれんっぽいよ?」


まぁ、そうだよね、期待した僕がダメなんだよね、とれんが呟いた。聞こえてるよ? 何を期待してたんだろう。


「あ、そこの眼鏡。急に頼んで悪かった。……お前転校生か?」



「あ、水瀬先生。」



一応見に来てくれたんだろう。まぁ、それでも転校さえしてきていないれんに任せるせいでいい先生には見えないんだけどね。


「残り5分でくるのはどうかと思いますけどね~」


れん、辛辣……。確かにギリギリだよね。来ないよりはマシだけど。


「ごめんな。職員会議があるんだ水曜日は。」


「かなと2人きりとか手出す気ですか??」


「はぁ? 確かに中一のくせして胸でけぇけどロリコンではないから安心しろ。」


私は咄嗟に胸を隠した。いいひとなんかでは絶対にない。ただの変態だ。


「変態……。」


胸を隠したまま先生に向かってぼそっとつぶやいた。


「それはちょっとキた。」



何が来たんだ。れんもなんか機嫌悪いし。この微妙な空気のまま仕事が終わった。やっと帰れる。


「うげ」


「何その声。傘もってきてないよね! 一緒に帰ろ」


外を見ると土砂降りの雨が降っていた。天気予報でら晴れって言ってたのに。あ、でも


「教室に折りたたみ傘あるかも! じゃあ」


教室に向かってダッシュしようとすると腕をつかまれた。そして、抱きしめられた。え、なんで?


「僕と一緒に帰るの嫌なの?」



「い、いやじゃないけどその……」


凄く言いづらい。


「れ、れんの手が……」


れんの手は私の胸をがっちり掴んでいた。私の顔は真っ赤だろう。


「あー」


あー、ってなに!? もう離してくれて良くないですか!?


「ひゃっ」


うわあああ! 声でちゃった!! れんは隣でボソボソ言ってるし……。


「か、帰ろ?」


「そうだね。」


やっと離してくれた。少し、れんがあの時みたいに怖く感じた。私はもうれんと一緒にいても大丈夫なんだよね……?


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