8.

仲直り? したとはいえ危険を感じたのですぐに部屋に駆け込んだ。私は前世で大罪でも犯したのか?

急に時間が気になりスマホを開くと尋常じゃない量の通知が来ていた。うわぁ……もしかして全部あかり? Limeを開くとあかりから100件のメッセージと不在着信がきていた。

【さっきのれんくんだよね?】【早く逃げて!】【かなちゃんが穢れちゃう!】

れんとあかりって知り合いなんだ……。私のお母さんとあいりも仲が良かった。あいりの両親は見たことがないけれど。私が既読をつけたからなのか、あいりから電話がかかってきた。

「もしも」


「かなちゃん大丈夫!? れんくんに何もされてない?」


「大丈夫だよ。普通に話しただけ」


私はあかりにどこまで話しているのだろうか


「よかったあ。昔れんくんにちゅーされたって泣いてたの急に思い出して……」


あかりにそれを伝えているということは私とあいりは少なくとも小学生の時から仲が良かったということか。


「心配しないで。それより私たちが仲良くなったきっかけって覚えてる?」


急すぎたかな。でも、これは知っておかないとだめな気がする。


「当たり前だよ~! 私が男の子にいじめられた時に助けてくれたよね。私が赤組の時だよね。10月21日だよ」


赤組って私が保育園の年少のとき。って保育園も同じだったの!? 10月21日って私の誕生日だ……


「日にちまで覚えてるんだ」


「そりゃあね! 私とかなちゃんの誕生日だもん! 忘れる方が難しいよ~」


あかりと同じ誕生日……。運命感じちゃうよそれは。その後10分ほど話していたがあかりがお兄さんに呼ばれておひらきとなった。あかりってお兄さんいるんだ。ひとりっ子ぽいのにな。


「あ、水瀬くんからLimeきてる」


【明日一緒に行かない?】


多分あかり目当てだよね? いいよと送ってスマホを机に置いた。私は気づいていなかった。あかりよりも私の方がヒロインの立場にいるということに。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る