6.
「僕もいい? れいなのお父さんに用事あるんだけど。」
れいなが怒るか心配だったが、怒るどころか呆れた顔をしている。もうあかりに敵意は無さそうだ。
「みんな乗っていいわ。もちろん小鳥遊さんも。」
あかりはぱぁぁっと笑みを見せた。もしかしてこれでいじめのフラグが折れたり……? でもそうしたら乙女ゲーム成り立たない気がするんだけど。まぁ、みんな仲良くすればいいよね。私はサポートキャラとして頑張らないと。そして私はモブと結婚して幸せな家庭を作るのだ。
「小鳥遊さん」
車の中は言わなくてもわかると思うが凄い気まずい空気が流れていた。そこでれいなが言葉を発したのだ。
「なに?」
「昨日急に文句を言ってごめんなさい。あなたに司さんを取られると思ったらなぜか怒りが収まらなくて。」
「全然気にしてないけどかなちゃんは返してね!!」
あかり能天気すぎないか。あと、司さんは誰だ。まだクラスメイトの顔と名前が一致していないのでクラスメイトかそうでないかもわからない。
「それは無理なお願いですわ。かなは私の初めてのお、お友達ですもの!」
美少女に挟まれた平凡な私。女の私でも美少女に取り合いされて嬉しいのに男だったら死ねるよね。転生とか転移の漫画読んだことあるけど主人公ってこんな感じだったんだ。
「えー? 僕もかなのこと欲しいんだけど?」
そんなこと言われたことのない私は柄にもなく顔を真っ赤にしてしまった。免疫無さすぎて辛い。
「かなかわいい」
そう言いながら隣にいた水瀬くんになぜか抱きしめられた。この人距離近すぎない!?
「離れて!!」 「離れなさい!!」
れいなとあかりは家に着く頃にはいつの間にか仲良くなっていて、何か同盟を結んでいた。私にも教えてよ。仲間に入れてくれ。
「送ってくれてありがとう」
「明日から一緒に変な虫からかなちゃん守ろうね! 水瀬くんも含めて!」
変な虫? 虫は嫌いだから嬉しいけどなんで虫? しかも水瀬くんが虫なの? 水瀬くんとれいなと別れ、あかりと2人きりになった。
「かなちゃん、私たちずっと一緒だよね?」
あかりが突然メンヘラ化する現象はなんなのか。
「うーん、私が先に死んだらお葬式きてね。」
「うん! 100歳まで生きようね!」
それは無理、と言おうとしたが言葉を発せなかった。なぜならあかりの後ろに____がいたから。
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