第15話

 どうなっているのか、わからない。


 観客からの乱入。


 たぶん、本当に、幼馴染みの彼の、恋人、じゃないのか。


 彼の恋人。慣れた動きで、走って、舞台へ駆け上がる。


 展開される芝居。一人芝居を、二人に拡大させたもの。


 そして、世界を支配する相手が、突然出てくる。


「みんなっ、手を貸してくれっ」


 この声で、みんなが出ていく手筈。


 みんなが、出ていった。


 そして、彼と、彼の恋人が、脇に下がる。


 世界を支配する相手と、みんなが戦うシーン。ミサイルの音。


「ふう」


「良い脚本だなあ。君が書いたの?」


「え、あ」


「はじめまして。彼の恋人です」


「さあ、行くぞ。終盤だっ」


 彼と、彼の恋人に連れられて。


 再び舞台へ。

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