第11話

 幼馴染みが、戻ってきた。


「ねえ、私の。なくなっちゃったの。私の脚本どこにあるか、しらない?」


「さあ、知らねえな」


 彼。みんなに、何か配っている。


「新しい脚本だ。確認してみたが、台詞も内容も変更されてない。これまでの練習がそのまま生きるぜ。ただひとつをのぞいて」


 彼の手から、脚本をもらおうとして。


「おっと。お前の脚本はないぜ。ここからはお前が主人公だ。張り切っていこう」


 私以外の全員。声を挙げる。


「開演だ」

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