第7話

 ねえちゃん先生のいない、いつもの学校のホームルーム。あの日以来、私の友達以外の女子生徒は、別クラスになっていた。


 みんなに、印刷した脚本を配って見せる。きっちり、25部。女子生徒以外の分。


 ここでみんなが脚本のだめさにびっくりして演劇がなくならないかな、という思いと、自分の書いたものが認められなかったらというこわさが、ごちゃ混ぜになった気分。


 みんなから、次々に声が上がる。


 部隊は架空の電子世界。


 主人公たちは冒険しながら仲間を増やしていって。四人ぐらいで旅をする。


 世界を支配する相手に向かっていこうとする途中で、突然上からミサイルが降ってきて。


 世界を支配する相手が、突然出てきて、戦いになる。


 でも、途中で、昔仲間だった相手が敵として出てきて。


 世界を支配する相手が、実はひっしに世界を守っていたことが分かって。


 最後は、世界を支配する相手と手を取り合って、電子世界の問題を一つずつ解決しようとするところで、終わり。


 彼が、声をあげる。私の幼馴染み。


「良いじゃん。いや、これは。すごく良いぞ」


 ほかのひとも。みんな、口々に、良いとか、俺はナレーションやりたいとか、効果音つけたいとか、言っている。


「やろう。これで」

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