第2話状況把握
――魔王城
所でこの人達は誰何だろう?見たところ、人間じゃない人もいるんですけど。
「あの……。あなたはー?」
「挨拶が遅れ申し訳ございません私は、ヒートアベルと申します」
スーツに身を通しメガネをかけた、男の人。顔立ちが整っていて……
なんというか親しみやすそう。
「じ、じゃあ、ヒート、よろしく」
この人は、人間っぽいな。すっとした体が賢さを出している感じ。
他にも、いるけど面倒くさそう。ほかは角はやしたり、翼はやしたり。
名前覚えるの苦手だしなー私。
「で、これからどうするの?」
私はひとまずの方針を聞いた。
「はい。まずは、我が軍の状況について、説明します」
「軍?」
戦争とか?
「まず、この大陸には、四つの国があります。そして、ここはそのうちの1つ、アルファス帝国にある絶対不可侵の魔王城になります。そして、我が国は戦争に参加しておらず、中立の立場にあります」
「え? ってことは、ほかの三国は今も戦争してるの?」
「はい、その通りでございます。」
微笑み、肯定する。絵になるなー。
「で、それを止めようしてるわけ?」
「そうでございます。」
なるほど。状況は理解出来た。私達は世界を救うヒーローってわけね。
「まず、どこから行くの?」
初陣だしスライムみたいな感じでしょう。
「はい、まずは、
隣国の自称共産主義国家を名乗る弱小国、ムードリアを統治に置きます」
やっぱりチュートリアルってやつね。最初は雑魚から行くと……。
「我が軍の、戦力は?」
「10でございます」
「そうなんだ。って、おい! 少なすぎるよ!」
なに、勝てると思ってるの? 相手ダンボールかなにか?
「っと、言われましても、ここにいる十人で全てでございます。他の魔族含め我が国の兵士は、先日はられた結界によりとても戦闘出来る状態では」
結界? いきなり凄い設定だな……。
「誰に張られたのよ」
「連合国、グローリアでございます」
ヒートによると先日、なんの前触れもなく結界が現れ、その影響を受けてここにいる一部の上位のツワモノ以外魔法が使えなくなって、ただの人間。それ以下になってしまったらしい。
「ならさ、そのグローリアって国から落としたほうが良いんじゃない?」
そうすれば仲間増えるし。
「いえ、それは不可能でございます。グローリアの戦力は百二十万。この大陸最大の帝国でございます」
うわー。こっちたったの十人なのに百万超えとか。
あー、頭痛くなってきた。もうラスボス級じゃん。
帝国兵にcd買わせたらミリオンヒット!
ってそんなこと言っている場合かーーーー!
「それに」
「それに?」
「グローリアは他大陸の国とつながっているとの噂です」
なるほど。日本史で習ったけど、日本は鎖国して他の国より200年文明が遅れいたらしい。それに元軍と戦ったとき未知の戦法、武器にしたらしい。
そんなふうに考えると未知の地の国がバックにあることは、脅威だろう。
ましてや十人だし。
「なるほど。わかったけどなんでムー何とかを落とすの?」
「はい。それは先程も言ったように弱小国なのに加え、ムードリアは山岳地の低地に位置しており、他の国にとってみれば山に囲まれ攻めにくいのですが」
ヒートはそう言うと背中から翼を生やしはためかしながら……
「我々には飛行手段があります! それに効果的な大規模な魔法を放てます!」
なるほど。空から一方的に……。檻の中にいるライオンと檻の外から銃をもって戦うような……。けどさ……
「山に囲まれているということは攻めにくいという利点がある。
けど逆に言えば、空中から攻めても山の木とかが邪魔して見えない。
でも多分これは他の国も知っているはず。だから対策が取られていないはずがないと思うけど?」
「ええ。その通りでございます。ですから、準備はできているか!」
ヒートは控えていた部下に問い……
「はい!」
と、確認を取ると息を大きく吸って……
「なら、地中から攻めたらどうでしょう。戦力を分けて、空からの囮組と地中から敵司令部を叩く組を作って……また、夜なら魔族の領分です」
なるほど。これなら最小限の被害で抑えられる。さすがチュートリアル。
なんか楽勝じゃん。
「分かったわ。実行しましょう!!」
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