睡眠レモンの使い方

YuU

睡眠レモンの使い方


 「ねぇ、紗智子。今日のご飯何?」


 「今日はサンマの塩焼きですよ」


 「もちろんレモンはあるよね?」


 「もちろんですよ」


 この時、僕の妻である紗智子はニヤリと笑っていたことに僕は気付いていなかった。


 そして一時間後、夕食の準備が出来たっぽいのでダイニングテーブルに向かった。そこには、長方形の二枚の皿の上にサンマが一匹ずつ盛り付けており、皿の中にはもちろんのように大根おろしと僕がサンマの塩焼きで必ずと言って良いほど使うレモンが置いてあった。後はご飯と味噌汁がダイニングテーブルに並んで置いてあった。ちょうど紗智子も片付けが終わったらしく、僕と一緒にダイニングテーブルを挟むようにして座った。


 「「いただきます」」


 僕と紗智子が同時に言った後、僕はまず味噌汁を飲む。暖かい味噌汁の中には豆腐とわかめ、そしてきのことごく普通の味噌汁だったがこの少しずつ寒くなっている時期に飲むと百倍美味しく感じた。さて次はメインのサンマを食べることにしよう。まず僕はサンマの身を開いて骨を取りレモンをかけ大根おろしと共にサンマを食した。


 「うん!とても美味し…い…よ」


 サンマを食べた瞬間、僕は急な睡魔に襲われた。そ僕はそれに抗うことなく眠りについてしまう。


 その時に見た紗智子の顔は今までに見た事のない程にとても笑っていた。



 僕は次の日の朝に目が覚めた。ダイニングテーブルを見てみると食べられてないサンマが置かれてあった紗智子の皿と僕が食べたサンマが置いてある皿、そして味噌汁そしてご飯が置いてあった。僕の持っていた箸は床に落ちてあった。


 「あれ?紗智子は?」


 僕の最愛の妻である紗智子の姿がどこを探してもなかった。そして恐る恐る、紗智子の部屋に入るとそこには机とベッドがあり、机の上には紗智子の名前が書いてある離婚届けと置き手紙があった。内容は…


 『私、他の男と子供が出来たのでその男と結婚するから家を出ていきます。さようなら

              紗智子より』


 …は?


 何かの冗談だろ?他に男がいたのか?確かに最近帰ってくるのが遅いとは思っていたが…浮気してたのかよ!……はっ!それはそうと僕の通帳はどこだ!


 僕の通帳は全て紗智子に管理してもらっていたはずだ。まさかとは思うが…


 僕はそう考えながら通帳を黙々と探した。


 そして一〇分後。ようやく、僕の通帳を発見した。確認として通帳の中身を見ると…


 「預金残高がゼロだと?」


 そう預金残高が全て取られていたのだ。


 その後、僕は何をしたか分からない。だけど次の日には家中には穴や傷があり、テレビやパソコンは割れて壊れてあった。



                  END


 


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睡眠レモンの使い方 YuU @mugifuwa1415

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