第4話:尋問拷問
私は信頼できる女友達を屋敷に招いて、女子会を開きました。
美味しいものを食べながら楽しい会話がしたかったのです。
大嫌いで情けのかけようもない王太子ですが、父上と兄上に拷問されるとなると、その苦しみは想像を絶するものがあります。
私も実際に拷問現場を見たわけではありませんが、噂に聞く方法はとても激烈で、聞いた話を思い出すだけで、身の毛がよだつほどなのです。
拷問官の間ではありふれた方法だというのですが、足の爪と肉の間に釘を突き刺し、それを蝋燭の火であぶる事から始めるそうです。
考えただけで足のつま先から激痛が感じられるほどです。
特に思い出すのが嫌なのが、王太子を裸にして全身に蜂蜜を塗り、虫に身体をかじらせるという、想像するのも嫌な拷問です。
身体中が虫に齧られ傷だらけになった身体に、消毒と称して塩と刺激物を塗り込み、激痛地獄に落とすというのです。
それでも自白しなければ、身体中に焼き鏝を当てて火傷を負わせ、それでも自白しなければ、全身の火傷にも塩と刺激物を塗り込むのです。
他にも色々な拷問法があるのですが、それを想像するのが嫌で、お友達と愉しい会話をする事に心がけました。
お友達が帰らなければいけない時間になったら、侍女に側にいてもらいました。
侍女達には可哀想なのですが、私が悪夢でうなされることを前提に、交代で不寝番をしてもらう事になりました。
そんな不安と恐怖の日々が続くかもしれないと思ったのですが、拷問相手が愚かで憶病な王太子だったので、直ぐに終わりました。
私の不安な日は、一日で終わったのです。
拷問が終わった王太子がどれだけ無残な姿になっていたかといえば、足の指に一本の釘を刺されただけだったそうです。
極度に痛みに弱く根性のない王太子は、釘一本で全てを白状したそうです。
まあ、その自白を確認するために、生き残った王太子の手先が拷問されていますが、私はその手先の顔も知らないので、王太子の時のようは不安も恐怖の感じなかったので、とても助かりました。
私は不安や恐怖を感じてしまうと、侍女たちが不寝番をしてくれる事になります。
そんな負担を侍女たちに課すのは本意ではありませんから。
しかし今回の件は、私の問題などは些少な事でした。
事件の背景には、隣国マイラン王国の魔の手があったのです。
マイラン王国のジャスパ王が我が国を狙って射たのです。
いえ、ジャスパ王の背後にいる、稀代の悪女ミネルバ王妃が全ての元凶なのです。
彼女は音に聞こえた悪女で、ジャスパ王を色香で誑かし、王妃や王妃の生んだ王子王女をジャスパ王に殺させて、王妃となって国を乗っ取っているのです。
その悪女ミネルバが、私を狙っているというのです。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます