017
音楽室に行くと案の定悪魔楽譜が置かれていた。
私はそれを持ち、雑に丸めてゴミ箱に放り込む。
「あと……いくつだったかしら。」
その問いに結が答える。
「放課後の鮮血空、怪物の呼び声、異世界の書物で全部だよ。」
「そう、ちょっと疲れたわね……甘い物が食べたいわ。」
「板チョコならあるけど食べる? 」
「遠慮しておく、結みたいに太りたくはないから。」
「ちょっと、私が太ってるみたいに言うのやめて。私の体重は四十キロ後半なんだから。それにスポーツだってやってるんだよ。」
「スポーツ? それは初耳だわ。何やってるの。ちなみに私は柔道、合気道、空手道、軍隊格闘術を少々だけど。」
「……ダーツ。」
「まぁ、確かにスポーツだけど運動になるかって言われたら微妙なラインね。」
そう言いながら少し笑みをこぼす、どうやらもう大丈夫そうだ。
「さてと、怪物は後回しで良いわね。というかいつ遭遇するか分からないからまだ手を出せない。」
「となると放課後の鮮血空を処理するの? 」
「いや、それが一番最後、その怪談はいわばこちらとあちらを繋ぐ門だから。」
「じゃあ次は図書館だね。」
そう言って、私の手を引く結。
私もなぜか、つられて笑みをこぼしてしまった。
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