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学校の七不思議って奴ですよ、有名ですよね?
あ、その顔は知ってるって顔ですね、嬉しいです。
ええ、もちろんうちの学校にも七不思議が存在しましてね、まぁお暇つぶしに訊いて頂ければなんて思う訳ですよ私としては。
うちの学校でその七不思議が囁かれるようになったのは多分一九六八年頃でしょうか。
え、その当時の学生は結構過激な思想を持っていた? 学生運動?
今ではそんな風に呼ばれて歴史の一部となっているんですか、全く人間はなんでも記録に残したがりますね。
さて、話を戻しましょう。うちの学校の七不思議ですが結構面白いんですよ。
一つ目【放課後の鮮血空】
ある生徒が放課後教室でうたた寝していた。彼女はすぐ起きて時計を見たが時間は午後5時で止まっており外は血で染まったように赤く、紅くなっていた。
大して怖くない? そうですね、だってこれは他の七不思議に関わるための七不思議なので。
二つ目【死神の放送】
鮮血空を見ていると放送が聞こえる。「今日の犠牲者は・・・・・・」と。そこに名前の挙がった生徒はその日の内に行方不明になってしまう。
え、何故行方不明なのに死神なのか? 多分噂に尾ひれがついたんだと思いますよ。怪談で行方不明と死亡は紙一重じゃないですか。
三つ目【怪物の呼び声】
聞こえたら注意すること、怪物があなたを狙っているから……。
これだけです、意外とあっさりしていますよね。こういうのだと普通怪物の容姿とか描写されるものなのですがされていないということはもしかしたら見てはいけない系の怪物なのかもしれませんね。
「って、先輩聞いてますか!」
私がうたた寝し始めるのを見計らったように大声で起こしてきた。
「正直興味ないわ。」
私は続ける。
「今はその話を聞かないということはその七不思議は認識されず、無いのと同等なのよ。それを今更掘り返したところで面倒事が増えるだけね。」
私は帰り支度を始めた、この幽霊結構煩い。
「ちょっと待ってくださいよ、残りを聞かなくていいんですか? 」
「逆に聞くけれど残りの七不思議を知っているのかしら? 」
「あ、バレました? ここから先は嘘八百を並べようとしてました。」
やっぱりか、目を見て大体わかってた。
「でも、間違って認識するということもまた一興だと思いますよ。そうすればその怪談の形質が変化しますからね」
「確かに、形質は変化するけれどそれで悪化する方が私としては面倒くさいのよ。」
対処しきれなくなった時が一番怖いのだ。
「しかし残念ですね。今日はもう帰られるのですか。ではまた明日ここでお待ちしてますよ。」
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