第17話 ステータスオープン(笑)
アルファポリス版は1〜16話を1〜28話に誤字脱字修正、改変、加筆しました。ほぼ内容は変わりませんが、もし気になるようであればアルファポリス版もお読み頂けますようお願いします。
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ロープを外されユウコから分離したミリアが快勝に喜んでピョンピョンと飛び跳ね勝利を祝う。
勇者パーティしか倒したことがない
「本当に自分ら、やったんすね」
ユウコはダンジョン初戦でボスクラスの魔物を倒したことに身体を震わせ感慨深そうに大剣を立てて眺めた。
だが、マリアだけは単独で阿形の
それが当然の役目であるかのように。
ミリアたちは24時間後の
たった三十秒戦っただけだがユウコは片足を引きずっていた。脚の筋肉を数本断裂していたのだ。
レベル補正がまだ無いレベル1で、かなり無理をしたためだ。それを見たマリアは回復呪文をかけ彼女の足を治療した。
「足が軽くなったっす、ありがとうっすね、マリちぃ」
「ユウコさんが頑張った証拠ですわ」
「ユウコもエリオも、マリアもみんなよく頑張ったわね、次もこの調子で頑張りましょう」
「「「おーーー!」」」
みんなでジャンプして喜ぶとミリアは体に違和感があることに気がついた。
「なにか、力がすごく強くなった気がする。どの位レベル上がったんだろう」
ミリアが手をグーパーして首を傾げる。魔法使いがレベルアップしても力の補正値の上昇はたかが知れてると彼女は思っていたのだが、どう考えても力が異様に強くなっているのだ。
それに釣られユウコも何か変な力に目覚めた気がするっすと厨二病的な言葉を言い。
マリアもわたくしも何か今までと違いますわと言って、各々、自分のレベルアップを実感していた。
ともあれ、エリオたちは次の
何せ、この
倒せるのは勇者だけだと。
それを片方だけとは言え倒したのだ、何度喜んでも足りないだろう。
「それじゃ、みんなのステータス確認しようか」
エリオがそう言うとミリアはニヤリと笑う。
「ステータスオープン!」
ミリアは手のひらで空を横にスワイプした。彼女は何も写っていない虚空を見てふむふむと顎に手を当て何かを見る動作をしていた。
「何それ?」
その動作を見て、みんな頭にクエスチョンマークを作る。ミリアはファンタジー小説によくある俺TUEEE主人公に憧れて、それを真似したのだと舌をペロリと出す。
それを聞いてユウコは笑いながらミリアと同じように手で空を切った。
当然、何も映らないのだが、ユウコもふむふむと頷く。
二人は仲が良い、どちらかが馬鹿をやれば、仲良く馬鹿をやって楽しむのだ。
もちろんマリアは表情を変えることなく二人を見て呆れている。
だがそんな彼女に当然の如く二人の毒牙が襲う。
無理やり手を掴み空を切らせて同じ動作をさせる。マリアもそんなに嫌な顔をしてないところをみると、あまり嫌ではないようだった。
そんな三人をエリオは微笑ましく見ながらステータスチェック用の機械をテーブルの上に置く。
自分たちのステータスが気になるミリアは戯れるのをやめ、三人はその箱の周りを囲んで不思議そうに見ていた。
「じゃあ有栖川さんから手を乗せてみて」
「この
「はい、お願いします」
ミリアは箱に書かれている手形の上に手を合わせるように置くと、エリオは箱についた赤いスイッチを押す。
起動音が漏れるとピコピコとLEDが光り、30秒ほどで機械から紙がプリントアウトされた。
最初に出てきた一枚目をミリアに渡し、エリオはもう一枚追加で紙をプリントアウトした。
氏名:ミリア
年齢:16歳
職業:魔法使い
レベル:12
HP:54
MP:89
SP:46
剛力:25
知力:30
俊敏:24
防御:15
攻撃:22
魔法:レイライ
一騎当千
ファイアフォックス
「やった魔法二つも増えてるよ」
「これは……」
エリオはステータス表を見て驚愕する。魔法使いにしては腕力や俊敏が高すぎる、何より、覚えた技のうち一つは魔法ではない。
それに、
それが魔法使いのミリアに発現しているのである。
「どうしたのエリオ」
「ごめん、魔法の説明の前に川上さんのステータスチェックしていいかな?」
「いいけど……」
「自分の番っすか?」
自分の順番がきたユウコは意気揚々と手を箱の上に置く。同じく30秒ほどすると彼女のステータスがプリントアウトされた。
エリオはそれを彼女には渡さずに先程のミリアのステータスと並べて見比べる。
氏名:川上・ユウコ
年齢:15歳
職業:戦士
レベル12
HP:54
MP:89
SP:46
剛力:25
知力:30
俊敏:24
防御:15
攻撃:22
技能:スラッシュ
一騎当千
ファイアフォックス
「ん? なんで戦士のユウコとあたしのステータス補正値が同じなの?」
「自分も技が三つになってるっすね。しかも技二つがミリリンとおんなじっすよ。てか、なんで戦士なのにMPあるんっすか?」
ユウコは自分のステータスの意味不明さに矢継ぎ早でエリオに質問する。それを両手で制してエリオは彼女をおちつかせた。
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