【第一章】家出、そしてパーティ結成
第1話
【5の鐘】
日の出直後の早朝、キース少年は村に来ていた行商人と合流した。
3日前の日中、広場で露店を出していた彼に、「王都に帰る際は同乗させてほしい」という話を持ちかけたのだ。
「まぁ、わたしゃ金さえ貰えれば文句無いけど、後でごたごたに巻き込まれるのはごめんだよ。その辺は大丈夫なんだろうね?」
行商人は気にしているが、現時点では何の約束もできない。
しかし
「あぁ、それは大丈夫ですよ。たまたま普通の乗合馬車では時間が合わないというだけの話なので。お気になさらず」
少年はさらりと笑顔で返す。
本当は家出である。中々図太とい。
行商人は少々釈然としない感じではあったが、馬に合図を送り馬車を進ませた。
(おばあ様、キャロル、ヒギンズごめんなさい。でも僕はどうしても冒険者になりたいのです)
キースは祖母と、住み込みの家政婦、その夫である庭師に謝りつつ、馬車に揺られて王都へと旅立った。
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