雨を孕んだ夜





雨を孕んだ夜

泣きたくなるような

静けさに満ちた部屋

迷い込んで

触れた頬の感触

思い出すように

手を伸ばせば

冷えた指先

雨を孕んだ夜に溶ける



明日が来ることなど

忘れてしまえば

眠れない夜も

眠らない夜に



思い出せなくなった

大切な何か

溢れ落ちゆく感情

霧のような思考



静かに

静かに泣いている

雨を孕んだ夜



冷えた頬に雨が宿る



思い出せなくなった

過去がまたひとつ

頬を伝って消えてゆく



















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