これから

「さて大雑把な解説で申し訳ございませんが、〔ヴェラヴィータ〕という世界をご理解いただけたでしょうか。」

「あー、はい。なんとなくですが理解しました。出来る事なら知りたくなかったですけどね。」

なんかもう頭の中ぐちゃぐちゃである。

「それでは最初の話に戻りますが、この後どうします?。このまま魔王を倒した場所に戻りますか?それともここで人生をリセットして新しい人生を過ごしますか?。新しく生まれ変わるのであれば、もちろんテナチュール大陸側にて転生をと考えております。」

そりゃそうだわな。誰が好き好んでアルモン大陸なんて戻るもんか。

「それとは別にちょっとお願いしたいことがございます。」

女神テネレッツァは神妙な顔をして話を切りだす。

「ショウジさんが転移なさる時ですが、本当はあと3人転移する予定でした。ですが帝国側の召喚士が未熟であったために転移中に事故がおきまして、本来来る予定であった3人が次元の狭間に取り残されてしまったのです。」

「幸いにして、私の権限が及ぶ世界であった為事なきを得、3人には元の世界に戻れたのですが・・・、そのせいでショウジさんの器に4人分の能力がつぎ込まれてしまったのです。」

そっか、だから俺は勇者(聖騎士・聖魔術師・賢者)なんて事になってたのね。

「なので、正直言うとショウジさんの存在がこの世界のバグみたいな事になってまして・・・安定させるのにちょっと時間がかかるというか、なんというか・・・。」

「死神さんから『時間をくれ』って言われちゃいまして。」

えっ?死神なんているの?マジ?あの骸骨に黒ローブかぶって鎌持ってる人?

「あっ、ショウジさんの想像している死神とは違いますよ。本来、死神とは死んだ人の魂をちゃんと導いて黄泉の世界に引率してくれる存在ですからね。そのルートから外れてしまったり、現世に強い執着心があったりするとアンデッドになってしまいますが。決して怖い神様じゃないですよ。」

そうなんだ。なんか女神様にそう言われると、旅行会社のツアコンみたいな人を想像してしまった。

「そこでショウジさんを退屈させないために私考えました。この世界の私を含めた神様と今回特別に都合をつける事が出来た地球の神様と交流して時間を過ごしていただきたいと思いますがいかがでしょうか?。」

女神さまは胸を張って「私やりました!」って感じである。

まぁ、それでいいんだけどさ。

それはそうと、俺死ぬの決定なのね。

まぁ、未練は元々ないけどさ。

女神さまから、このまま戻って生きてても暗殺か監禁かなんて言われたらさ。

戻りますなんて言えないじゃん。

救国の英雄って言われて、ちやほやされるのあこがれたんだけどなぁ。

グッバイ、龍磨祥二。37年間ありがとな。

そういやこの世界じゃ俺ずっとぼっちだったっけな。

勇者なのに誰も寄ってこねーんだもんな。

なんか目から大量の汗が出てきた。

俺、生まれ変わる事に決めたよ。

次の人生は波乱万丈じゃないほうがいいな。

そういや地球の神様と交流できるんだ。

地球というか日本は俺こっち来てから18年過ぎてるんだけど、一体どんな風に変わってるんだろう?

なんかすげー変化起きてるのかな?。

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