目を覚ますと

目を覚ますとそこはどこまでも続く白い世界。

あれ?、俺死んだ?。

と祥二は思いを巡らせる。

確かに出血量は多かったが、死ぬまででもなかったよな?。それに自動回復魔法も常時使ってたから死ぬはずはないんだけどな?。

と、頭を捻っていると目の前の光景が歪み、突如応接セットが現れる。

真っ白な世界にソファとテーブルだけがポツンと置いてある、とてもシュールな光景に祥二は戸惑っていると、後ろから

「この度はお呼びだてして申しわけございません」

と鈴の音のようなよく通る声が祥二の耳に届き、振り返るとそこには真っ白なドレスと頭にティアラをつけた美女が祥二に向かって微笑みかけていた。

「申し遅れました、私の名はテネレッツァ。この世界を管理する神の1柱です」

「それはどうも、自分は龍磨祥二。勇者してます」

いまいち状況が飲み込めてない祥二は振り返りながら女神に挨拶をする。

「ふふっ、それはわかってますよ。さて、立ち話と言うわけにもいきませんから、どうぞこちらにお座りになって下さい」

「はぁ、ありがとう御座います。それでは失礼します」と言いながら祥二はやっぱり俺死んだのかなぁ?なんて事を思いながらソファに座る。

そして向かいには女神テネレッツァが静かに腰を下ろす。

「まずは貴方の疑問に思っている事についてお話を致しましょう。貴方はまだこの世界で死んでしまった訳ではありません。今いるのは精神世界と言いますでしょうか、まぁ端的に言えば神の常駐する場に貴方を呼び出したと言う事です」

死んだわけではないと言う言葉にホッと胸を撫で下ろす祥二。テネレッツァの言葉は続く。

「ただ、この先の貴方の身の振り方について相談したく、この場所に貴方を読んだ訳なのです。人族の勝手な召喚によってこの世界に来たショウジさんですが、この先は良くて一生涯城に監禁されるか、悪くて暗殺される可能性があります。人族の担当をしている私が言う事ではありませんが、人族とは1度権力を有するとそれに固執してしまうようで本当に嘆かわしいです」

ふぅ、とため息をつくテネレッツァ。自分も多分そうなるだろうなぁ、と思っていたので特にショックと言う事でもない。

「それで、私から提案があるのですが」

「なんでしょうか?」

「貴方1度死んでみませんか?」



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