日常の崩壊2

俺はとてつもない危機に迫っていた。遺伝子結果の封筒を貰う為教卓に行ったら突如現れた角の生えた女性。そしてあの奇妙なメール。俺は全てを悟った。


俺の遺伝子は誰かの偉人に適合したのだ。そして彼女は俺の事を狙っている。つまり殺されるのだ。

俺は逃げようと考えるが足が動かない。他のクラスメイトの顔を見るが全員逃げたいが足が動かない様だ。


角の生えた女性はゆっくりと先生の方に向かい目の前で立ち止った。次の瞬間彼女は先生の首を素手で刎ねたのだ。ころころと先生の頭だった物は転がっていき女子生徒の足元に止まった。女子生徒は叫ぼうとしたが声は出なかった。理由は簡単だ、既に顔は体から離れているからである。


先生とその女子生徒の頭は角の女性が手に取りそれを口にした。バキバキと骨が砕かれる音が聞こえ始めた。彼女は捕食を始めたのだ。生々しい音が聞こえキツイ匂いが教室を包み込んだ。その場で嘔吐を始める人もいたが皆足が未だに動かずにいた。


「あ〜美味しかった。やっぱ食べるとしたら新鮮な脳に限るね♪」

食べ終わった彼女はそう言った。その言葉に俺は信じられなかった。人を食べ、そんな事が言える事が信じられなかった。やっている事はまるで鬼である。


「ん〜?あー!自己紹介を忘れていたね。私は酒呑童子の偉人。気軽に酒呑とでもよんでね〜」


酒呑童子と名乗った女性は口から血を垂らしながらそう言った。もはや恐怖でしかなかった。彼女は次々と生徒の脳を食べていった。


「ん〜?みんな何で私がこんな事をしてるか分からないみたいだね。私は他の20人の〜偉人を殺して〜願いを叶えたの〜願いは『1日だけ人を食べたい』ってね!場所は良い匂いがする所にに選んだんだけど匂わないんだよね〜。そう偉人同族の匂いがね〜。まだ覚醒してないのかな?」


俺はこれ以上この教室にいると死ぬと思い逃げ出すためにかろうじて動いた手で近くの筆箱からシャーペンを抜き取った。だが少し音を立ててしまい酒呑童子はこちらを向き俺の方に近づいてきた。


「ん〜?君、僕に歯向かうの? 別に良いけどそんな武器で?面白い子だね」


酒呑はニヤリと笑い、俺の首に腕を巻き付け、俺の匂いをを嗅ぎ始めた。少ししたら俺から離れた。


「よ〜し。君にはチャンスをやろう。もし君が僕に一撃を与えたら今は見逃してあげるよ〜」

「ほんとうか?」

「うん。僕たち鬼は嘘は嫌いだから。信じて良いよ〜」


彼女にチャンスを与えられた俺は一か八かに賭けに出て、シャーペンを自分の腕に刺した。ものすごい痛みが俺を襲い俺は叫んだ。


「?」


酒呑は俺が何をしているのか分からない様だった。俺は無理やり腕に刺さったシャーペンを抜き取った。そして自分の足で教室の出口まで走り出した。俺は恐怖を痛みで覆い足を動かせる様にしたのだ。


その事に気がついた酒呑はやるねぇと言い俺を追い始めた。出口まで訳10メートル。だがそこに着く前に追いつかれるだろう。だから俺は振り返りシャーペンを投げた。


軽々と酒呑は避け一瞬だけシャーペンに目が行った瞬間を俺は逃さなかった。ここまでは予想通りだ。俺は腕から垂れていた血を掌に集めており血を酒呑の目に向かって投げた。目潰しだ。血が数滴目の中に入った酒呑はその場で立ち止った。俺はこの瞬間を逃さないため直様出口に走り出した。


そして出口に着き、ドアを開け逃げようとするが酒呑は目の前まで近付いていた。もうだめかと思い、目を瞑るがが俺の体は誰かに引っ張られ酒呑の攻撃を避けた。


「よう!危なかったじゃないか慎也!」


「ゆ、結城!」


俺は聞き覚えのある声を聞き目を開くとその人物を見るとそこには俺の親友である結城がいた。

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