第25話 魔神と仙女
魔神視点
ワタクシはあの亜神達とのお泊まり会の後、ファルの魔力を辿り跳びました。
「ファル。龍神様はどうされたのですか?」
何か問題があったのか僅かに眉を寄せるファル。
「こちらを」
そう言って渡されたのは龍神の魔力で作られたトカゲのような魔造生物。
ワタクシはトカゲに魔力を込めて手紙を取り出す。
『メイとファルへ
王城に忍び込んだよ。
第三王女に見つかったから予定変更するよ。
勇者も居たよ
龍神より』
誰に渡しても恥ずかしくないような文章であるが、要約すると内容はこういうことですね。
身勝手な龍神様らしいですこと。
ワタクシも会いたいのですがどうすれば良いのでしょうか?
城に忍び込むのはで会った瞬間に帰れと言われますわね。それに龍神様でも見つかってしまうほどの何かがあるのならばワタクシも厳しいですの。
「主様。当初龍神様が予定されていらっしゃった冒険者組合の依頼です。」
なるほど、勇者の教師役となることですか。
これ以外に正規に城に入れることはできなさそうです。しかし、時期的にこれはありがたいですの。
「締切は明後日までですわね。とりあえず登録だけしておきますわ。」
「それがよろしいかと。」
それに、龍神様のことを置いておくにしても勇者の為に近ずかねばならないですわ。
あの方の強さの基準は魔神であるワタクシから見てもおかしいですからね。
「ところで、龍神様と一緒にいらっしゃった。人族の女性はどこにおられるのかしら?」
「申し訳ありませんが把握出来ておりません。」
そうですか。あの方にも用事があったのですが寿命を克服されているようなのでまた会えるでしょう。
魔人の街よりも綺麗な街並みを興味深そうに眺めながら一人の女性が歩いてく。
その女性は、同性であっても思わず二度見してしまうほどの容姿がありながらどこか野暮ったく矛盾を孕んだような格好をしている。
戦えなさそうな風貌の女性がギルドがある区画に向かっているためさらに周りの注目も集まっているのだろう。
周りの視線に気づいていながらもなぜ見られるのか理解していない魔神は疑問に思いながらもギルドに着く。
「ここがギルドですわね。」
ああ。どうしましょう。生身でこんなに人に見られる経験をするのは初めてです。
ファル以外の配下達とは影などの分身で話していたのでとても緊張というのでしょうか?しています。
その感情を意識的に除外させて、いつものように切り替える。
しかし、ギルドに入りましたが何も分かりませんわ。
そう困っていると後ろからココ最近で聞きなれた口調で話しかけられた。
「入口で止まらないで欲しいネ」
「申し訳ありません」
謝罪しながら振り返るとそこに居たのは仙女であるメイだった。
最強の龍神、現在逃走中 最高級ウィンナー @saikoukyuubanana
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