第18話 女神達

龍神が護衛依頼を終えて、王都に着いた頃、残りの亜神達は無人島にある城にいた。


勿論、龍神の様な面倒臭いなどと言う理由では無い。全員がお茶会の内容で愛想れないと分かり、抜け駆けを許さない様に監視し、謀ってやろうと全員が考えた結果、亜神の共同生活と言う奇妙な形で落ち着いたからだ。


しかし、龍神を見つけないと話にならない為どの神も従者を龍神を捜索するために出し見つけたら報告するという同盟を結んだ。


そもそも、龍神が本気で隠れたら幾ら力を持とうとも、個人で見つけるのが殆ど無理なので、情報を独占するなんて事はほんの少ししか考えなかった。少しは考えてしまうのは神の業だろう。





エンシェントエルフ視点


この一ヶ月間亜神同士で暮らしていましたが、誰も料理が出来ないのは女として問題ではありませんか?

今程、従者のありがたみが感じられたのは何時ぶりだったでしょう。


しかし、どうすれば他の神達を謀り、より早く龍神と一緒になれるか考えなければいけません。


龍神のことだから会うためにはおそらく人のいる大陸まで移動しないと行けないと思います。エルフになるのは何時ぶりでしょうか?


後は、この事に気取られずに成功させねばなりません。


従者に「神の一柱ですので全力戦闘はお控え下さい」と言われたけれど神だからこそ女の戦いでは負けることができないのです。

本気で行かさせていただきます。



エンシェントドワーフ視点


アタイは従者を龍神の捜索に出してから、作った神具擬きの魔道具を使い、他の亜神に対応出来る用に準備している。


精神に干渉する類の物はどの道効かないからいいか。


この一ヶ月は表向きは仲良し女神のお泊まり会は、自分の持つありとあらゆる感覚器官を費やして監視し、情報を集めて相手を謀り一番に龍神に会う為に自然になったものだね。


こういう腹芸は魔神の得意分野だろう。アタイは苦手だ。


後は、時空属性の魔法を閉じ込めた、魔石を使いアイテムボックスを発動させ、亜空間から鉱石をとって鍛治を行う。


従者ではなく、アタイが逢いに行く事にしたが、龍神に会うのに話の口実が無ければ、ただ逢いに行く女々しい女じゃないか。


アタイは恥じらいを持つ乙女だからね、そんなのは嫌だよ。


武器が出来て、時間が余ったら何をしようか。

女としては、何が必要だろう?


ここで暮らし始めてから料理が酷かったらかねやっぱり何か出来るようにしといた方がいいね。

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