第14話 狂人と変人

龍神視点


ファルベラから何故人間の街にいるのか聞いた。異界からの召喚についての調査に来ていたらしい。


魔神眼で見ればいいものの何故わざわざ?と思ったが、聞いて欲しく無さそうだったからスルーした。 


再びギルドに行き、登録して依頼を受けてみる。ここの都市にいても、金がない今する事が無い。


それに我も興味があるので、異界の者が召喚されるであろう王都に行く。


魔神に異界の侵略者達を任しているのでこれぐらいは働かないとな。


働くと言えばだ、再びギルドに行き登録してから、我達は護衛依頼を受けてみた。メイはめんどくさそうだったが我やってみたい。


というか、ギルドで会った男達の様にはなりたくない。それは、龍神のプライドが許さん。


「リュウ様、旅の道具はいかが致しますか?」


「特に必要無い。」


「リュウ。それではダメアル。今は、龍神ではなく人間のリュウネ」


「何が言いたい?」


「龍は龍らしく、人は人らしく、冒険者は冒険者らしくするべきアル」


要するに、形から入れということか?確かに今の我の格好は我の鱗から出来たコートを着ている以外はただのそこらで売っている服だ。


武器も持っていない。これで戦いますなんて言っても笑われるであろう。それぐらいはわかる。


あれだ、料理人の格好で「戦います」と言っても「ああ、調理場でな」って言われるやつだ。


なんか違う。違うけど、職業とのギャップと言う話題で包丁と鍋蓋でモンスターに突っ込んでいくイカれたエルフの料理人が思考によぎってしまったから仕方がないだろう。


「リュウ様は、どうされたのですか?」


「あーあ。またどうせ見当違いの事かどうでもいいことを考えてる顔ネ」


「また、と言う事は結構あるのですね。」


「リュウの性格は基本的に子供の様には単純アル。此奴の知り合いは変人ばかリだからリュウが変人に染められたりしても仕方がない面もあるネ」


「その情報を主人に報告するだけで怒られずに済みそうです。」


外野が煩いが、我の思考能力をフルで使うほどに今回の件は考え無ければならない。


、、!ちょっと待て、だが、場違いという視点だけで見れば今の我と同じでは無いのか!?


何という事だ。つまり、我はこのままいけばあの狂人と一緒!?

それだけはダメだ。常識知らずや子供っぽいと馬鹿にされるのが何億倍もマシだ。


「ちょっと家に武器取ってくる」


「ちょっと待つアル」


「リュウ様お待ちください。」


「すぐ戻る」


武器があれば今の我はちょっと常識のない普通の人だ!

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