第12話 魔神の従者

龍神視点


メイとの戦闘が騒ぎに怒られるか?と思ったが何故か周りに観客がおり、賭け事が始まっている。


メイもムキになり呼吸法も真剣で”仙脚”なども使い始めた。仙術は内丹法しか使ってない所を見ると壊すつもりは無いようだ。


だが「これ以上やったら建物が壊れるな。」と思いながら、いなしていると一瞬だが魔の気配を感じた。しかもうっすらだが魔神の気配も感じた。高位魔族がここにいるのか?


ふと見るとメイド姿の女性がいた。あれは魔神の所の....何でこんな所に。


「余所見するなんて余裕アルな?」


「おい。今の気配お主も感じただろ。戦闘所ではない。それにもういいだろ。」


我が挑発してしまったとはいえもうこれ以上は迷惑だしあのメイド服の娘が気になる。


そんな思考とは裏腹に鋭いメイの手刀を半身になり避け、懐に入り、力を集約して肘打ちをする。


その威力を悟ったのか今までのように拳で相殺するのでは無く回避する。そして貫手だろう?


予想どうり貫手が我の胸に向かう。龍の時ではかすり傷でもこのままでは心の臓が貫かれこの人の体を維持出来ないだろう。それでも死なないがな。


それに対し我は手首を掴み東方の島国の技術”合気”でメイをひっくり返して地面に叩きつける。

何とかなったか。そしてこの対応で許して欲しい。


「あの肘打ちからの間は誘いだったアルか」


「暴走しやがって。ギルドに登録するだけのつもりが散々だ。登録は後でいいからあの魔神の加護を持つ者を探すぞ。」


「分かったネ。それに私も気になってたアルよ」


気になってたなら気づいた段階で止めろよ。


「あいつ勝ちやがった。」 「あのイケメンの子は私が食べちゃいたいわ」 「メイさん?貴方に聞きたいことが」「ギルドマスタ〜一回が滅茶苦茶です」「それを口実に....」


色々聞こえてくるがあの娘はどこに行った?ん?あの裏路地から薄い魔神の魔力を感じる。


「彼処ネ」


メイもこの魔力を感じ取ったのか裏路地に視線を向けている。あちらも隠すつもりは無い。むしろ誘われている。


ここの惨状を確認し申し訳なく思いながらも裏路地に向かい走る。それにメイも何も言わずに着いてくる。


そして裏路地に入ると私とメイを認識し丁寧にお辞儀する魔神の従者が居た。


「龍神様、お待ちしておりました。私、魔神様の従者のファルベラと申します」


何かめんどくさい事になってるな

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