第10話 都市に入るのも一苦労

龍神視点


我、最強の龍神である。女神たちに攻撃されて機嫌が収まるまで逃げていたり、メイに馬鹿にされ威厳が無いと言われようともだ。

しかし、我の性格が子供だと言われた時思わずブレスを履くところだったぞ。


「龍神。あれが交易都市ベルリム。しかし、入るのには色々問題があるネ」


「金か?」


「お金は大丈夫ネ。それに男性は関税必要ないアル」


「なら身分か?お主の弟子として通れんのか?」


「貴方ほど可愛くの無い弟子はいないアル。それはともかくこのまま行く食べられてしまうネ。」


「人間は人間を食べるほど業深かったか?」


「いや、そうじゃないネ。性的に食べられるアル。だから人の前では私達は夫婦として行動するネ。いいアルか?」


我、今結構なカルチャーショックとメイの言う常識が無いということが証明されて悲しい。カルチャーショックだけにフハハハハ。

はぁ。我が思って居たほどに我は人間の事を知らなかったのだな。


「分かった。けど夫婦とはどんな感じなんだ?我は知らんぞ?」


「そんな事は知ってるネ(だから亜神同士の喧嘩が起こってるアル。この鈍感は気付きそうにないアルが)

けど呼び方ひとつ変えるだけで親しいと見られるネ。」


「はぁ。まあお主がそう言うなら従うか」


「貴方のことをリュウとでも呼ぶアル。貴方も何かかんがえるネ」


「いつもどうりお主かメイで良くないのか?」


「....それもそうアル」


そう言ってメイは心無しか残念そうにしながらは門に向かって進む。なぜだ?


「次の方どうぞ」


少し待つと門番の女性に呼ばれたので会話を辞める。

手ぶらだから荷物の検査はされなかったが身分証が無い我と古すぎて使えないメイは水晶に手を置かなければならなかった。


『何のための作業なんだ?』


念話の魔術でメイと話す。


『過去の犯罪歴がないか調べてるアル』


この球体にそんな秘密があるのか?龍神眼で解析してみるか


『ほう。やはり人間の技術は目を見張るものがある。我ならこんなめんどくさいことをせずに同じことが出来るがな』


『もう解析したアルか。これの事は話さ無いことネ。メリットがないアル』


それぐらい我にも分かる。しかし本当によく出来ている。神通力に魔術、呪術も所々混じっておる。

神通力で心を読み、犯罪歴が有るならこの球を魔術で光らせ居場所が特定できるように呪術で触れてる手からバレない程度のマーカーでの呪いをかける。実に素晴らしい。


「む?大丈夫か?」


球体から手をどけても我の顔を見て微動だにしない門番の女性に話しかける


「....え?ええ。はい。大丈夫です!」


「あのホントに大丈夫か?テンションがおかしいぞ?」


「大丈夫ですとも。男性の方は取調室にどうぞ!」


「え?わざわざ取調室でするのか?」


「リュウ何してるネ。貴方が連れて行く必要ないアルよ。この人は私の夫アルから」


「ちっ。貿易都市へようこそ!」


何故か舌打ちと棒読みで話す門番に歓迎?され我達は都市に入った。

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