コロナの悲劇

ＤV疑い？

「佐竹さん！

大丈夫かい？

具合が悪いって本当かい？」

「所長！

ご心配をおかけして、申し訳ありません」

「どのような症状があるんだい？

熱は？咳は？だるさは？」

「微熱です・・37度2分です・・

悪寒が続いていて

私も感染しているかもしれません・・」

「とにかく今は自宅療養で

くれぐれも無理のないように！

君は一人暮らしだったよね？

ご飯は食べているかい？」

「ありがとうございます！

大丈夫です

何なら先輩ケアマネの山田さん（女性）に

買物をお願いしてあげようか？」

「ご心配おかけしてすいません・・

大丈夫です！

実は・・もう届いていまして・・」

「えっ！そうなのか？

それは良かったよ！」

（やはり君は特別な・・）

「所長！

明日にはPCR検査の結果が

出ると思いますので

必ず連絡させて頂きます！

それまで

テレワークをさせて頂いても宜しいですか？」

「テレワークって君！

今は仕事をせずに

ゆっくり療養してくれたまえ！」

「どうしても

明日までにしなければならない

仕事があるのです！

それだけはさせてください！」

「他のケアマネで

フォローはできないのかい？

先輩ケアマネの山田さんに

連絡をさせるので

彼女に業務を引き継ぐように！

これは業務命令ですよ！」

「・・・・・・

分かりました・・

ご迷惑をおかけして

申し訳ございません・・」

数分後、山田さんから

佐竹に電話が入るが・・

佐竹の利用者で夫から

ＤＶを受けている疑いある

利用者の受け入れ先を

探す必要があり

受入れ施設の候補を内密に

本人に打診する必要があったようだが・・

コロナ感染者が蔓延する中で

施設見学が難しい現状であった

「山田さん！

ご迷惑おかけしますが

宜しくお願い致します！」

「佐竹さん！

安心して、私に任せて！

ゆっくり静養してね！」

「ありがとうございます！」

佐竹は電話を切った