第6話 女性刑事

警視庁正門の二人の警備官が酷く緊張して敬礼した。

その間を軽く敬礼し黒のビジネス・スーツ、黒のローヒールの女性が通り抜けた。

二人の警備官は「ほーう」と息を吐き出した。

彼女は、警視庁でも猛者揃いの旧四課、現在改名され組織犯罪対策部の係長なのだ。

彼女は警察機構の中でもキャリア組であり、その中でも超エリートである。

彼女が今の所属に就くに当たり、一騒動あった、警察庁所属の彼女は、昇進の条件である。

現場経験の希望部署として、警視庁四課を指定し上司たちを驚愕、憤怒させた。

彼女は自分の思いを正直に告げた。

「自分は、組織暴力撲滅の為、入庁しました、昇進など望んでおりません。

警察庁に置いても組織犯罪対策部を選択し経験を積みました。

配属して戴ければ、そのまま骨を埋める覚悟であります」

上司たちは再度驚愕した、が怒りは消えていた、一人の上司が理由を聞いた。

「自分の両親と兄は、北九州博多で組織間の抗争事件に巻き込まれ、銃弾により死亡しました。

自分のこの意思が復讐と言われれば、その通りです、が、その強い信念が、組織犯罪撲滅に必要と考えます、何より自分には賄賂は通用しません。

自分はこの希望が適い易い様に常に主席を通してまいりました。

ぜひとも、適えて下さい、お願いします」と敬礼した。

その席には、異例にも警察庁長官がおり、じっと彼女見つめ資料に再度目を通し言った。

「願いを受理する、明日付けの辞令を今渡そう」と警察庁長官が決然と言い放った。

周りの幹部たちは驚愕した、この席で、何度目の驚きだろうと皆考えた。

時はそれから2ヶ月が過ぎ、彼女の存在が日常になった。

警察庁で彼女の配属が決定された当日の警視庁は大変な騒ぎだった。

翌日辞令で前日に知られるはずもない情報が警視庁とは言え庁内漏洩してしまった。

それ程、皆が驚く人事異動であった。

旧四課と異なり現在の組織犯罪対策部は扱う事象により課、係が細分化している。

総務課と一課から五課と、特別捜査隊がある。

この特別捜査隊の隊長の職務中の負傷の完治が思いの他、長引き係長の代行が長く続いていた、そんな中での特別捜査隊への女性隊長の配属通達だった。

翌日がまた、大騒動であった、夜勤の者達が帰宅せず、朝出勤の者達も通常より一時間から30分も早く出勤する者が多かった。

この特別捜査隊 女性隊長の初出勤を見る為だ、また、できるならば、部下たちへの初の挨拶と部下たちの対応も見たかった、そんな中、8時10分に玄関を潜った。

玄関内にも庁員がいっぱいいたが、皆、直ぐに彼女と解かったし驚いた、

パンツスタイルの黒のビジネス・スーツがビシーと決まり、容姿端麗、スタイル抜群、丹精な顔立ち、それで居て人を寄せ付けない、自信に満ちた歩み、見間違い様もない。

見つめ続ける人達は、皆、ごくり、と生唾を飲み込んだ。

皆は、無理だと思っていたが、今は、彼女ならできるかもに変わっていた。

彼女はエレベーターで目的階に上り、何の躊躇いもなく目的の部屋のドアを開けた。

目に入ったのは所属員全員の姿だった、彼女は、間髪居れず「アテンション、起立」と言った。

全員がほぼ反射的に素早く起立し不動の姿勢になった。

彼女は続けて「敬礼」と言って自らビシッと敬礼した。

全員もまたほぼ反射的にビシッと敬礼した。

彼女は暫く間を置き「直れ」と言い、「おはようございます」と言った。

全員も「おはようございます」とはっきり応えた。

彼女は続けて「着席」と言った。

全員が素直に着席し彼女を見つめた、余りの綺麗さに驚きもあったが押し殺していた。

彼女は続けて「私が新任の課長に赴任しました、麻生 優子です。

皆、女に何ができるとお思いと確信しております。

ですが、出来るか、出来ないかの判断は暫く保留して下さい。

先任の課長と同様な対応を期待します。

女性の上司に対応できないと言う方は、残念ですが、如何に優秀でも、組織結束の邪魔です。

出て行って貰います、では、全員参加で各係長から現状の報告を受けます。

準備に10分差し上げます、よろしく」と言って席に座った。

暫くの静寂の後、戦場のような騒ぎになった。

その間に庶務の女性が、恐る恐るお客様の茶碗にお茶を持って来てくれた。

彼女は、そのお茶を飲みながら送られていた私物の整理を始めた。

10分して係長の一人が「準備できました」と横に来て、直立不動で敬礼し言った。

「解かりました、報告者は私のこの席で行って下さい」と言って、お客用のソファーに腰掛けた。

外部出動の各班の報告が続いた、彼女は一切質問をしなかった、

最後の班の係長が「これで終了です」と言った。

麻生が「庶務、管理がまだです」と答えた。

「私どももですか」と庶務か管理の係長が言った。

「私は、全てと言ったはずですが」と目付きが変わった。

それは、組織犯罪の猛者たちもブルッと振るえが来るほどの凄みがあった。

質問した係長がごくりと喉を鳴らし「申し訳ありません、5分下さい」と答えた。

「良いでしょう、が、皆の貴重な時間を奪った事は忘れない様にして下さい」

「はい、ありがとうございます」

「10分差し上げます、その間に報告についての質問をします、まず、各班でこの場にいない者は何名ですか」と言った、

これに対し一斑から順に人数が伝えられたが、全員いて外出も欠勤もいなかった。

「どう言う事ですか、二班の特殊関係人(愛人)の張り込みは一週間しか経っていません。

女の課長がそんなに珍しいですか、気持ちは解からないでもないですが、今後は許しません。

例え、私が男に性転換した初日でもです、そんな事はないですが、私は性同一性障害ではありませんから、よろしいですね、それで、その張り込みは継続するのですね、何人ですか」

二班班長が「継続しますか」と言った。

それに答えて麻生が「当たり前です、最低10日、最低です、それで何人ですか」と言った。

「2名ずつ2組です」

「私が聞いているのは、特殊関係人です」

「一人です」

「逃走しているのは、20代の精力旺盛な組織員ですよ、一人のはずはないでしょう。

もう一度、叩きなさい、吐かないなら連れて来なさい、私が落とします」

「はい、もう一度、関係者に当たります、本当に連れて来ても良いですか」

「はい、落としの技術をお見せしましょう、二班は直ぐ取り掛かって下さい、まず、今日の張り込み不在時の確認が先です、難題ですが、方法は任せます」

二班班長は、部下を集め指示を初めた、一層慌しくなった。

麻生は一班の方を向き一班班長との会話を始めた。

「次に一斑ですが、銀座の銃撃戦について進展が感じられませんが、私の間違いですか。事件から既に2年経過していますが、警察庁では、未だに最優先事犯です警視庁では違うのですか」

「同じく、最優先であります、申し訳ありません、仰る通り進展はありません」

「何に、何故、詰まっているのですか、襲撃側は逮捕し、された側の一人は身元が割れているのですよ」

「襲撃側の5人の内、一名死亡4名入院、その内3名意識不明です、聴取できるのは一名で、医師からの時間の制約付きです、された側の滝竜一ですが逃走方法が巧妙で途中までは追い詰めたのですがその先が不明です」

「一名負傷でしたね、幹部ですか、下っ端ですか」

「下っ端と思われます、事情聴取で負傷していた男の服装がジャンパーと解かりましたので、何か、関係しますか」

「貴方がその幹部の部下で幹部が負傷したらどうしますか、下っ端だったらどうしますか、幹部と同じ扱いにしますか」

「下っ端で腹部と知らせを受けています、確かに対応が変わると思います」

「最初の車が銀座7丁目の裏通りに乗り捨てられ、そこで、車の盗難があり、それも監視カメラのない道ですね、乗り継いだ車は、麻布で乗り捨てられてあり、指紋も血痕も一切ないが、後部座席の一部が切り取られていた、と言う訳ですね」

「はい、仰る通りです」

「麻布の捨てられた車の後部座席が切り取られた意味は理解できてしますか、運転席側のガラスが切られていた理由もですが」

「運転席側のガラスは、ガラス切りで切られたもので従来の金具よりも早く盗める事が解かりました、後部座席については不明です」

「ガラスは、その通りでしょうね、後部座席がわからないのですか、本当ですか」

「はい、皆で考えましたが」

「がっかりですね、簡単でしょう、負傷者の血を拭っても現在のDNA検査では、身元が判明します、だから、切って持ち去ったのですよ」

「申し訳ありません、気が付きませんでした」

「そこから、解かる事は、怪我人を助けるつもりだと言う事です、傷は、医者を呼ばず、滝が直すつもりのようですね、そして、直るまで、都内には戻って来ないでしょう、そして、最後に乗った車は滝の車ですね、麻布の放置した近くに滝の車が止めてあったはずです、この車は、滝の非常時の予備車でしょう、麻布近辺で事件まで、長期に渡って、期間として滝が日本で確認された頃から利用された形跡がなかった車で今はない車庫です。捜査しましたか、もう一つ、負傷者

用に、薬品を購入したかも知れません、車の近くでとは可能性は低いですが、確認しましょう、銃創ですから、包帯、脱脂綿、油紙、赤チン、鎮痛剤、ピンセット、綿棒、消毒薬、女性用バッドか子供用のオムツか老人用のオムツ、抗生物質が一番必要ですが、医師の処方箋が必要なはずですからね、包帯、脱脂綿は大量に必要ですが、店を分けて買っているでしょう。麻布近辺から多摩方面、千葉方面、埼玉方面、それぞれの一般幹線道路沿いの薬局をまだ当たっていないようなら捜査範囲に加えて下さい。新宿で襲撃側の組織の中幹部が2名殺害された事はご存知ですね、その資料を入手しましたか、現場の細部も聴取し、現場へ出向いて実感を聞かせて下さい、捜査項目追加は三件です、質問の途中ですが、この件が目下の最優先です、他の班への質問は後日改めます、一班班長、二班以外を貴方に就かせます、応援の班長と分担配分を検討し、早期着手をお願いします、なお、聞き込みには、黒尽くめの男の目撃確認も含めて下さい。」

部屋は、より一層慌しくなった、そして、次々に準備を追え出て行った、それは続々と続き、外周りの部員は一人も居なくなり静寂に包まれた。

麻生は次に残っていた二人の班長に話し掛けた。

「では、庶務、管理の説明をお願いします、観客が少なくて申し訳ありません、本来、ならば裏方の重要性を外回りの方にも理解して戴きたかったのですが存念です」

庶務の女性がお茶を入れ直し、庶務と管理の説明が始まった。

二人の班長が続けて説明し、その後彼女の質問と指摘が続き、三件の手続きで部下の不正行為の可能性を指摘し不正の有無を確認と手続きの改善案提出を求めた、四件の手続き破棄について、法律面と内部規定の有無を確認の上、破棄を求めた、この破棄により、課員の時間的余裕が大幅に生まれ経費の削減も望めた、民間でも官庁でも、以前から行っているとの事で、面倒な事を何の疑いも無く引き継がれている事が多数存在する、それは、ある人がある時点で何らかの理由で簡単簡潔な作業を複雑に変更し定常化してしまったのだ、

極稀に、新人がこの指摘をすると、馬鹿な上司が通例として一蹴する、日本は、往々にして、そう言う文化である。

麻生が言った。

「それ其の改善が可能であれば、今期分での改善比較を報告書にして、貴方方の記名で提出して下さい」

管理班長が驚いて言った。

「えぇー、我々の業績にして宜しいのですか」

「貴方方の記名と言った筈ですが、では、本日はこれまで」

二人の班長は、その場でビシッと敬礼をし「ありがとうございました」と言い席に戻った。

「江藤さん、こちらへ」

先ほどお茶を入れてくれていた女性を呼んだ

「はい」と凝り固まって立った

「私は、怪獣でも悪魔でもありません、同じ人間で同じ女性です、お座り下さい」

「はい」と答え、前の椅子に座った。

「三度、現場希望を提出していますが、理由はいえませんか、現場はこの隊が希望ですか、単に現場が良いのですか、現場の為に何を行っていますか」

「はい、この隊での現場希望です、兄が組織の準構成員でした、そして殺害されました、未だに未解決です、私は犯罪組織を壊滅したいです、空手、合気道をしています、毎朝の10キロのジョギングも行っています」

「キントレは」と麻生が質問。

「はい、行っています」

麻生は庶務班長を呼び「江藤さんを明日より一班へ配属します、よろしく」と言った。

庶務班長も江藤も驚いた。

「宜しい、明日から一班への配属です、業務引継ぎに何日必要ですか」江藤に言った

「はい、ありがとうございます、三日下さい」

「宜しい、これから開始しなさい、自分の席の確保も検討しておきなさい」

江藤は「はい」と深々とお辞儀と言うよりも拝礼して席へ戻った

見ていると席に座って、ぼーとしていた、が突然、涙が溢れ出し廊下へ駆け出して行った。

庶務班長は一言も発する事が出来ず席に戻った、班長も暫くぼっとしていた。


その日の午後、一斑の班員が続々と帰って来た、班長が報告した

「隊長、ご報告します、もう一人特殊関係人を突き止め、潜伏しておりました、容疑者の身柄を確保いたしました、ご指摘ありがとうございました」

「ご苦労様でした、取調べは、何時からですか」麻生が労いの言葉を投げた。

「これから、係員が行います」

「解かりました、その際、共犯も聞きだして下さい」

「ええー、単独犯ですが」

「単独犯では、ありえません、確認して下さい」

「畏まりました」と戻ろうとする班長に麻生が

「班長」と呼びとめ「庶務の江藤さんを明日付けで一斑に配属します、引継ぎに三日との事です、今日の取調べを見学させて下さい、席は本人に任せてあります」

「江藤ですか」と本人を見、隊長を見、氷の様に変わった目を見てブルッと震えて「はい、了解しました」とはっきり返答し席に戻り、指示をだした。


隊長の机の電話が鳴った、管理班の女性が「二班班長です」と言って切り替えた

電話から二班班長の声が漏れた。

「多摩方面への幹線道路沿いの薬局五軒で事件発生一時間後に分散し購入した若い男が居たようです、同一人物の様です・・・」

「報告はそれだけですか」

「はい」と意気込んでいた二班班長の声が、萎んだ声に変わった

「車の特定は出来ましたか」

「いいえ」二班班長の声は消え入りそうになってしまった。

「五軒の薬局の付近に車を止めていたはずです、付近の聞き込みをしましたか、2年経っていても、あの事件の日は、誰もが記憶に残っています、車は、私の予想では黒か濃い青のジャガーです、が、車種は特定せずに聞き込みを行って下さい、こちらでも、多摩方面への交通カメラの確認を行います、他には」

「ありません」と意気消沈した二班班長の声が聞こえた。

「宜しい」と言って麻生は受話器を置いた。

麻生は「管理班班長」と呼んだ

「はい」と 管理班班長が隊長席に来た

麻生は事情を説明し交通カメラの確認の命令を発した。


17時、二班班長より報告が入った

「三軒目と五軒目の付近で男が三人、四人乗りのジャガーが目撃されていました」

「解かりました、交通カメラは、まだ特定できません、そちらは、引き上げて下さい、本日は、これまでです、他にありますか」

「ありません」疲労困憊した二班班長が答えた。

「ごくろう様でした」と言って麻生は電話を切った。


麻生は、初日の今日、総監から順に合間を見て、挨拶周りを行った、最後は地下駐車係にまで、及んでいた、位が下部になる程、その時の驚きは大変なもので感激が伴っていた、これまでに彼女より階級が下の者も上の者も地下駐車係にまで挨拶にきた者は皆無だった。


17時30分になって、彼女は立ち上がり皆に声を掛けた。

「ごくろう様でした、本日の定時業務は終了です、急ぎ業務のない者は帰宅しなさい。

休養も大事な事です、特に体力を必要とする我々には、十分な休養と睡眠が不可欠です、周りの者に遠慮などしては、いけません、先輩、上司に遠慮してはいけません、但し、各班長以外です、班長は、班員全員の退庁を確認してからにしなさい、それだけ、支給金が高いのですから当然です、支給金が低いのですから上司よりも先に退庁する権利があるのです、退庁しなさい」

と言って席に座り、報告書に目を戻した。彼女の理論では、彼女が最終退庁となるのだ。


暫くして、意を決した様に一班の一人が立ち上がり帰り支度をし隊長席に来た

「お先に失礼します」と礼をして踵を返した、その時、隊長が声を掛けた。

「待ちなさい、貴方は、護摩磨りですか」何か言いそうな相手を手で制止した。

「貴方の直属の上司は班長です、貴方が班長に挨拶し、私に挨拶するか、班長にだけ挨拶するのは、かまいません、私にだけと言うのは、護摩磨り以外考えられません、私が一番嫌いな人種です、何か言う事がありますか」

「ありません」帰ろうとした男の声は沈んでいた、周りはしーんと静まっていた。

「やり直しなさい」と麻生が彼の席を右腕で差し言った

男は一旦、自分の席に座り直し、改めて立ち上がり、班長の席へ行き

「お先に失礼します」と挨拶した。

「お疲れ様でした」と班長が声を掛けた。

男は次に隊長席に来て「お先に失礼します」と挨拶した。

「お疲れ様でした」と隊長も声を掛けた。

男は部屋を出る時、部屋へ向き直り「お先に失礼します」と声を掛け立ち去って行った。

二人目からは、自分の班長に挨拶し、部屋へ向き直り「お先に失礼します」と声を掛け立ち去って行った。

それ以後、取調べをしていた者たちや、二班と応援組みが次々に帰って来た、その帰った者たちに一斑の者がひそひそと話しをし、話が次々と他班に回って行った、暫くして、帰る者たちは、自分の班長に挨拶し、部屋へ向き直り「お先に失礼します」と声を掛け立ち去って行った。以後これが隊の礼儀になった。


18時30分になった

麻生が声を上げた。

「各班長、本日の資料持参で会議室へ、副班長は待機」と言って会議室へ向かった

班長たちは、慌てて資料を持って会議室に入って行った。

「まず、私から報告があります、明日より庶務の江藤さんを一班へ移動させます、

一斑班長よろしく、では、庶務から今日の報告をお願いします」

19時まで各班の報告を聞き話合いが続いた、会議室を出ると、ほとんどの者が退庁していた。

各班長は席に戻ると副班長に退庁を許した、暫くして、副班長、班長とそれぞれ班長と隊長に挨拶し部屋へ向き直り「お先に失礼します」と声を掛け立ち去って行った。


部屋には、隊長の麻生一人になった、暫くして、顔を上に向け「はー」と大きなため息を

憑いた。

初日にしては、まずまず、いや、出来過ぎかも知れない。

逃走犯を見つけ、その後尋問で単独犯ではなく三人と判明し、広域捜査指令がされた。

銀座の銃撃戦についても、行き詰まっていたものに新たな進展を見せた上々と言える。

これについては楽観できない、今後しだいだ。

暫くして、彼女も部屋を出て、警報の確認をし一階に降り、守衛、門番に挨拶し退庁した。

振り返り庁舎を見渡すと光に溢れていた、一区画を除いて。

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