第26話 聖堂
南山が見える。
でも、山が近いからこの辺も丘みたいなところがあるのかな?
ゆるたかな坂道の頂上に右側にさらに上にあがる階段がある。階段の先に建物がみえる。
とがった小尖塔が此処が聖堂であることを語っている。アーチ形の窓から光が漏れている。
でもこのゴシック聖堂はすごいな。
微妙に違う色合いの煉瓦を組み合わせて造っているのかな?建物全体に陰影がある。
それとも、これは、
この前、
夜宴の場所と日時がわかったと。
そして、今、その場所に来ている。
最初に教会と聞いて驚いた。
教会だと聞いて驚いた私に
「太古、人々は、太陽神を崇めた。」
「そして、太陽神を守る神々も崇めた。」
「人々は、神々を崇拝した。」
「それは、偉大なる存在に平伏せたから。」
「だが、今は、どうだ?」
「太陽神では、ない。太陽神を守る神々でもない。神になろうとした者にすがる。」
「今は、崇拝ではなく、すがっている。」
「助けて欲しいと。」
「自分も神に成りたいと。」
「では、神になりたい人間が、神に差し出した物は、何か?」
神になりたい人間が神に差し出した物?
直ぐに1つの者が思い浮かんだ。
私は、それを言葉にした。
「即身仏。」
「そう、神になりたい人間は、神になる代償に自身を差し出したのだ。」
私の言葉に
「それって、魔女になるために等価のものを差し出す事と同じことですよね。」身を乗り出して私は聞いた。
「そうだ。」
「でも、神になりたい代償が自分の身体でチャラになる訳がない。身体から全ての生気を抜き取られ枯れて死んでも、まだ修行をさせられている。」
即身仏になったものは、今もなお、修行していると聞いたことがある。
生きたまま、即身仏に成るための修行に入りその修行は、何百年経った今も行われていると。
ならば、教会で夜宴が開かれるのは、なにか納得した。
階段を上りきり、開けたところに出た。
目の前、聖堂が聳え立つ。
隣にいる
「とりあえず、正面から中に入れ、インナとアンナは、入ったら直ぐに各所確認しろ。」
「俺は、外周を見てくる。」
「ハキとセジョンは、入ったらそのまま礼拝堂で待機だ。」
私たちに目配せをして
「私たちも行こう。」
インナさんが言った。
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