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「はっ」
「うわびっくりした。おはようございます」
「あ」
「え?」
「うわああ寝てしまった。ごめんなさい。肩にもたれかかってしまって」
「いえいえ」
「街中のベンチで朝を迎えてしまった。うわああ」
がんばりましたよ。あなたは。一晩中起きてたんですから。ありがとうございました。
「仕事に行かないと。ごめんなさい。よだれとかほんとに、ごめんなさい」
「いえいえ。いってらっしゃい」
「ありがとうございます」
彼が、スーツのタイを締め直して。走り出す。
たとえ明日が来なくても。今日が続けば。それでいい。
彼の今日が、良い日になれば。それでいい。
それでいいんだ。覚えてもらえなくていい。
走る彼の後ろ姿を。明るくなり始めた空と街を。涙をこらえながら見つめていた。
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