殺意と踊り、彼を殺す

聴け、この歌の殺意を。お前の心を呑み込む嵐だ。

見ろ、涎を垂らす化け物を。理性の鎖を食い荒らす拍動だ。


もう何回誤魔化してきた。あいつはお前を視界に入れてねえ。お前はあいつになれねえ。

もう何個ゴミと化してきた。心の中の衝動を押し付けても、お前はあいつになれねえ。

今、お前が飼い慣らそうとする、その殺意、化け物。その雄渾な首の振るい。その瘤の曲線。爛々と光る彼の瞳。

さあ、息遣いが荒くなるぞ!

歌え!

さあ、踊れ。彼の化け物と。ともに吠えては、血の海に笑おう。

さあ、駆けろ。楔を捨て置いて。お前の痛みのままにのたうち回れ。

やがて化け物は息を白くするだろう。痛みと共に赤く染まるそれを笑って、そして、殺せ。

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