第6話 女の話は長い
『私が言うのもなんだけど、思ったことは態度とか表情で表した方がいいわよ。じゃないと、私みたいになるかもよ。』
「あ、はい。」
『…どんな気持ちよそれ。』
俺は真顔で頷くと、目の前の幽霊に呆れられた。
「あ、とりあえず名前を聞いても?」
『私は水葉 彩芽(みずは あやめ)。』
「彩芽さん。俺は上野 駿です。」
『駿君ね。よろしく。』
「え、よろしくするんですか?」
『そうよ。私は地縛霊だもん。この風呂場の。』
あ、なるほど。あー、はいはい。
「…除霊を…。」
『やめて!?悪霊にしたいの!?そんなことしたらあなたを恨むから!!』
「てか、彩芽さん5年間ここにいたんですね。」
『そうよ。新しい入居者が来たらちょっと遊んだりして。』
「…それふつーに怖いやつですよね?」
『失礼ね。イタズラしただけよ。まぁ、みんな直ぐに出ていってたけど。あ、みんなじゃないわね。1人だけ遊んでくれた人が居たわ。』
「ふーん。」
『あれは私が死んですぐの事だった…。』
「あ、すみません。俺学校行く準備があるんで…帰ってきてからでもいいですか?」
『何よ!聞いてくれてもいいじゃないの!』
「遅刻は嫌なので。」
俺は風呂場から出ると時計を見た。
時間は9時。
朝の準備には時間がかかる。
女の話は長いと聞いたことがあったからあのまま聞いていると遅刻すると判断し咄嗟に断ったが怒って殺されるんじゃないかとすごくドキドキしていた。
お風呂場の幽霊さん 橋倉 輝 @kkinko0219
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