第2話 朝は和食派
学校が始まって1週間、最近やたら悪夢を見る。
内容は、深くて底の見えない水の中に落とされる夢。
必死にもがくけれど誰も助けてくれず、何かに押さえつけられるようにどんどん沈んでいく。
やがて息が持たず、苦しくなりそのまま死んでゆく。
そこで目を覚ますのだが、その苦しさがとてもリアルで最近疲れが取れず、大学に行くことさえきつく感じている。
目を覚まして洗面所に行くと自分の顔が写る。
「疲れてるな…。」
目の下にクマがあり少しやつれたような顔をしているが、男前だ。鏡の中の自分。
決してナルシストって訳ではない。
でも、そこそこのイケメンとは思っている。
女の子にはまぁまぁモテるし、世渡りも上手い。
友達は多く頭もいい方だと思う。
自分で言うのもなんだが、完璧主義者で妥協を許さないタイプ。だと思っている。やる時はやる。
やらない時はとことん力を抜く。
テレビをつけてニュースを見る。
時間は6時30分。
ポットにお湯を入れて沸くのを待つ間朝食を作る。
俺は和食派だから、卵焼きを作りその間グリルで鮭を焼く。
いい感じに焦げ目がついたらひっくり返してそのまま蓋をして蒸し焼きにする。
卵焼きも最後のひと巻きを終え丁寧にまな板の上に落とす。
卵焼きが冷める間味噌汁を作る。
具材はワカメと豆腐と玉ねぎ。
沸騰したお湯に豆腐と玉ねぎとワカメを入れ少し沸騰させた後鰹出汁を入れる。
さらにしばらく沸騰させ玉ねぎが透明になったら火を止め味噌を溶く。
冷めた卵焼きを6等分に切り分け鮭をグリルから出し皿に盛り付けていく。
ここでご飯を茶碗に盛り味噌汁もついでテーブルへ持っていく。
冷蔵庫からお茶を取りだしコップへ注ぐ。
お茶を冷蔵庫になおすときふと見えた納豆もついでに持って椅子に座る。
時間を見ると6時50分。
後ろの食器棚から箸を取りいただきますと一言言ってまずはお味噌汁に手をつけた。
ポカポカしてて美味しい。
4月の後半とはいえ朝は少し冷える時期。
そんな時にアツアツの味噌汁は最高だ。
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