第1章 

真木 慶次(まき けいじ)

適当に人生を歩んだ男。殺人罪により10年、獄中生活を送っていた。親殺しの罪で、星馬組に追われる。


ケンジ

主人公の舎弟。主人公を陰ながらサポートする。


真木 葵(まき あおい)

☆組若頭。親を殺した主人公を始末するため、主人公を追い詰める。


水谷(みずや)

☆組若頭補佐。~を心から尊敬、慕う男。


アカネ

主人公行きつけのBARのホステス。


ママ

@BARのママ。



役表

慶次:♂

ケンジ:♂

水谷:♂

葵:♂

女:♀

店主 / フード / セル:♀or ♂


------------------------------------------------------------------------------------------------


あらすじ

加藤不動産にとあるものを取りに行った主人公。しかし、断られさらには連れ出されかけたため、反撃し、全員を倒したもののものの回収ができず事務所へ帰る。しかし、加藤不動産の人々が殺されていることを組長に伝えられ、さらには破門にされてしまう。

10年の投獄生活の末、<町に帰って来たものの親父がいないどころか親殺しの罪がかけられていることを知るのだった


------------------------------------------------------------------------------------------------


ケンジ:「親父が行方不明なんですよ、しかもそれはあなたのせいになってるんです!」


慶次:「なんだって…?」


ケンジ:「捕まらなかったのが奇跡です。見つかればどうなるか」


慶次:「で、でもなんで俺に親殺しの罪なんて」


ケンジ:「あなたのことで上から召集がかかって、それで行って以降帰ってきてません。ケジメを取らされたとしか考えられないってことになって、それで兄貴が」


慶次:「そ、そんな。じゃあ親父は…」

「い、いやでも、まだ事実確認は取れてないんだろ?」


ケンジ:「でも兄貴はあなたにケジメをとらせるともう決め込んでいます。もうこの街にいることが危険なんです、今すぐこの街を離れて下さい」


慶次:「わかった、ありがとな」


ケンジ:「あてはあるんですか」


慶次:「ないけど、どうにかなるさ。とりあえず親父の行方をさがすよ。それで誤解といてもらうしかねえ」


ケンジ:「分かりました。とりあえずすぐタクシー呼びますん…」



トゥルルルルル(携帯電話の着信音)



葵:「ケンジ、主の奴は見つかったか」


慶次:!


ケンジ:「い、いえ」


葵:「そうか、今どこだ」


ケンジ:「じ、事務所の前です」


葵:「すぐ上がってこい。今から全員集めて作戦を伝える」


ケンジ:「うっす」


慶次:「…それじゃ、またな」


ケンジ:「あ、はい。兄貴こそご無事で」


慶次:「おう」


------------------------------------------------------------------------------------------------


慶次:(急がなくちゃあいけねえな、それにしてもどこから情報を集めるか…)



トゥルルルルル(携帯電話の着信音)



アカネ:「どう?事務所には着けた?」


慶次:「着けたはいいんだが、その」


アカネ:(そうだ、リベリオBARなら)


慶次:「今から行ってもいいか」


アカネ:「いいよ、主の出所祝いだってママに掛け合ってみる」


慶次:「ありがとよ」

「おーい、そこのタクシー!乗せてくれ」


------------------------------------------------------------------------------------------------


アカネ:「ええ!じゃあ、街なんにも見れないじゃない」


慶次:「ああ、まさか親殺しの罪なんてかけられてるとは思わなかった」


アカネ:「でも、親父さん生きてるかもしれないんでしょ?なら~さんに掛け合ってみればいいじゃない」


慶次:「それが聞く耳もたないらしいんだ」


アカネ:「そんな、じゃあこれからどうするの」


慶次:「そこでだ、ここに匿ってくれないか」


アカネ:「あたしじゃ決められないよ、店長に聞かないと」


店主:「いいよ、店に迷惑かけないなら」


慶次:「本当か!すまないな」


店主:「ただし、店に迷惑かけたら出てってもらう」


慶次:「わかってるよ、ここに迷惑がかかるような真似はしないさ」


アカネ:「ここを拠点にして、こんな危ない街で何するの」


慶次:「親父の行方、探すんだよ」


アカネ:「あては?」


慶次:「ないよ。他の組に聞でも聞いてみるか」


アカネ:「あんたは馬鹿か、あんたの組の指示でどこもあんたを狙ってるに決まってるでしょうが」


慶次:「そ、そうか。確かにそうだ」


店主:「それこそ情報屋でも頼ったらいいんじゃない?知り合いに一人くらい、いないの?」


慶次:「いるにはいるけど、あいつの情報料たけえんだよな」


アカネ:「いくらくらいするの」


慶次:「基本料20万、特別料金40万」


アカネ:「ええ」


慶次:「そのくせギャンブル依存症だから生活はホームレスと変わらない。変なやつだよ」


アカネ:「主さん、貯金は?」


慶次:「葵が抑えてねえはずがねえよ」


店主:「まあ、とりあえず銀行いって確認してきたら?なかったらまた戻ってくればいいよ」


慶次:「ああ、とりあえずそうするよ。ありがとなー」


アカネ:「ええ、気をつけてね」


------------------------------------------------------------------------------------------------


慶次:「銀行どこだ?変わっちまって変な店になってやがる」

「もう17時かあ、腹減ったなあ。寒いし」


水谷:「あんた、主じゃねえか?」


慶次:「え?」


水谷:「おーい、おめえら!ここに居やがったぞ!」


慶次:「や、やべ。くっ」


水谷:「おいこら!待てや!」


慶次:「待つわけねえだろうが!」


慶次:(こんなとこで見つかるなんて、ついてねー!)


水谷:「おいそこ!囲んじまえ!」


慶次:「げ、前からもか!」


水谷:「大人しくせえや、葵の兄貴のとこ連れてくだけや」


慶次:「そうはいかねえんだよなー、生きて帰れる気、しないもん」


水谷:「親殺しが舐めた口聞きよってからに……、お前ら。やってまぇえ!」


慶次:(とりあえずサシに持ち込まねえと、確かこっちが)


水谷:「あ!待てこら!」


慶次:「い、行き止まり…」


水谷:「血迷ったか?自分から進んで行き止まり選ぶなんて」


慶次:「道が変わってるなんて知らないに決まってんだろ!」


水谷:「それじゃ、遠慮なくやってまえ!」


慶次:「ふう、こうなりゃヤケだ!かかって来い!」



水谷:「やるやんけ」


慶次:「ハァ…ハァ…ハァ…」


水谷:「どいとけお前ら。わしがやる」


慶次:(い、意外といけ)



ドカッ(拳が入る音)



水谷:「よっしゃ、一発入ったで!」


慶次:「くっそ、もうちょっと獄中で、鍛えてれば良かった…。いてッ、痛いって」


水谷:「話にならん、これでしまいや!」



ウーウーウーウーウー(パトカーのサイレン)



水谷:「な、なんや。誰やサツなんか呼んだ奴は」


慶次:「おお、いつもは大っ嫌いやけど、今は神か仏の声に聞こえるぜ。警察さん」


水谷:「命拾いしたな。次は覚悟しとけよ」


慶次:「ふう。警察さんご苦労様で…ちょちょ、誰だ急に横から引っ張るんじゃねえよ」


フード:「私ですよ。さ、このまま居ればまた獄中ですよ」


慶次:「私って言われても。まあ捕まるよりましか。どこ行くんだ」


フード:「いつものとこ」



慶次:(いつもとこ?知ってるやつなんだろうが変声機使ってるせいか全くわかんねえな)


フード:「さあ、もっと走りなさい。私に追いつけないなんて恥ですよ」


慶次:「な、なんだと!待ちやがれー!」


フード:「ハハハ、10年ってのは長いもんです。私も相当速くなりましたからね。追いつかれるものですか」


慶次:「ハァ…ハァ…、は、速い」


フード:「あなたも遅くなったんですよ」

「ようやく着きました」


慶次:「ようやく…、ん?ここは」


フード:「10年ぶりにこの街に帰ってきて死にかけましたね」



バサっ(フードが取れる)



セル:「お久しぶりです」


慶次:「お前!セルじゃねえか!」


セル:「ええ、わざわざ貴方が死にに街に出てるという情報が入ったので、探しに来たんです」


慶次:「ありがとな。ちょうどお前に仕事があって探してたんだ」


セル:「40万」


慶次:「う。わざわざこんな逃亡中のついブタ箱から出てきたやつからむしり取らなくても…。しかもいつもよりたけえじゃねえか!」


セル:「さっきの助けた分と合わせて、かわいそーうだから割引してやってるのになんて言い草」


慶次:「も、元値は?」


セル:「80」


慶次:「ちくしょう、分かったよ」


セル:「現金って言いたいけど、今の君の口座。止められてるからツケにしといたげるよ」


慶次:「ほ、ほんとか!助かる」


セル:「聞きたいことは?だいたい想像つくけど」


慶次:「親父の行方だ。とりあえずそれが知りたい」


セル:「分からない」


慶次:「え?」


セル:「本部に向かった所までは分かるんだけど、高速道路を降りてからが私でも調べられなかった」


慶次:「お、お前で無理だったのか」


セル:「悔しいけどね」


慶次:「じゃあ、いったい何から調べたら」


セル:「そこは自分で考えて」


慶次:「うーむ…」


セル:「何?」


慶次:「とりあえずどこの方面へ向かったか調べてくれ」


セル:「ふーむ、明日までに調べておこう」


慶次:「ありがとよ」


セル:「明日の15時、ここで待っていることにしよう」


慶次:「ああ、それじゃ」


セル:「はいよ」


------------------------------------------------------------------------------------------------


葵:「で、追い詰めたけど警察呼ばれたと」


水谷:「すんません、急にサツがきたもんで」


葵:「………」


水谷:「ほんまにすいません」


葵「………」


水谷:「………」


水谷:(や、ヤバい。兄貴の怒りが体中に刺さってくる)



ぽんっ(肩に手を置く音)



葵:「しゃあない」


水谷:「え」


葵:「ちょっと食いに行こうか」


水谷:「は、はい」

「車や、車…」


葵:「歩きでかまわねえよ」


水谷:「は、はい」

「車いらへん!」


葵:「叙々苑行くか」


水谷:「うっす」



コツコツ(靴の音)


葵:「お前と食いに行くんは11ヶ月ぶりか」


水谷:「はい、親父が一年前におらんなって忙しかったんで」


葵:「今日はゆっくり食え。俺に遠慮せんでいい」


水谷:「はい」



葵:「生二つ、タン塩3人前、カルビ6人前頼む」


水谷:「………」


葵:「そう辛気臭い顔するな、俺もその状況じゃあ退散するしかない。ただなめてかかったとこは評価できねえな」


水谷:「はい、すんません」


葵:「ほら、焼いてやるから食いな」


水谷:「あ、頂きます」


葵:「元気付けて、まだまだやってもらわなきゃいけないからな。ほら、まだまだ来るぞ」


葵:モグモグ…


水谷:モグモグ…



葵:「ふう、食った」


水谷:「あ、支払いは俺が」


葵:「構わねえよ、俺が払う」


水谷:「でも」


葵:「俺が払う、いいな。外でまっとけ」


水谷:「うっす、ありがとうございます」


葵:「ちゃんと食えたか?」


水谷:「は、はい。腹いっぱい食わせて貰いました」


葵:「それならええ」


水谷:「…」


葵:「失敗は誰にでもある。問題はそこからだ」


水谷:「はい」


葵:「次は俺の前にあいつ連れてこいや。ええな」


水谷:「はい!それでは、失礼します!」


葵:「ええ返事や。お前には期待しとるで」


水谷:「はい!」



タッタッタッタッタ(駆け足の音)



水谷:「あぶねえな!おいお前!」


葵:「どうした。…先に帰ってろ」


水谷:「え、あ、はい」


葵:「俺、ちょっとあの走ってった奴に用あるから。じゃ、ご苦労さん」


水谷:「うっす、ご苦労様です」


------------------------------------------------------------------------------------------------


慶次:「ただいま」


アカネ:「良かった!」



ドサッ(抱きつかれついでに倒れた)



慶次:「お、重い重い」


アカネ:「無事でよかった、銀行には行けた?」


慶次:「それより、ちょっとどいてくれ。重くてかなわん」


アカネ:「あ、ごめん。って誰が重いよ」


慶次:「ママは?」


アカネ:「買い出しだって。そのまま帰るってさ」


慶次:「ふーん」


アカネ:「布団はないから、ソファ並べといたよ」


慶次:「おう、ありがとよ」

「じゃ、おやすみ」


アカネ:「はいはい、私は帰るからね」


慶次:「なんだ、帰るの」


アカネ:「ちゃんとしたベッドで寝たいもの」


慶次:「そうかい、それじゃおやすみ」


アカネ:「ありゃ、以外とあっさりしてるんだ。じゃ、おやすみ」


慶次:「はいはい」


-------------------------------------------------------------------------------------------


慶次:「とりあえず、15時まで時間潰さねえと」


ケンジ:「兄貴!なんでこんなところに!」


慶次:「ケンジ、いや、少し調べ物でな」


ケンジ:「街中、組の連中が探し回ってますよ。見つけたのが僕で」


慶次:「いやあ、15時に人と会うんだけど、時間つぶすついでに地形覚えようと思って」


ケンジ:「これから、リンチが始まるんです。よくわからないですけど、~の兄貴はあなたにケジメを取らせる準備はできたって」


慶次:「?どういうことだ」


ケンジ:「と、とりあえずせめて今日は街を離れて下さい」


慶次:「でもなあ」


ケンジ:「相手には電話すればいいじゃないですか、さあ早く」


慶次:「あいつの番号なんか知らねえよ、待つしかねえ」


ケンジ:「そんな、どうしてもなんですか」


慶次:「どうしてもってわけじゃ」


ケンジ:「それなら尚更」


慶次:「でも、この情報は手に入れておきたいんだよ。まあ、なんとかなるさ」


ケンジ:「そんなぁ」


慶次:「とりあえずマックでも食うかな、腹減ったし」


ケンジ:「見つかったら終わりですよ」


慶次:「わかってるよ」



慶次:「10年ぶりのファーストフードかあ」


ケンジ:「出所して何か他に食べたんですか」


慶次:「いや、これが10年ぶりのシャバの食事」


ケンジ:「え、今までよく立ってましたね」


慶次:「このくらい耐えれなくちゃな」


ケンジ:「ええ」


慶次:「うまいなあ、最高だ」



慶次:「よし、ゆっくりできたし。行くか」


ケンジ:「本当に行くんですか」


慶次:「行くよ、長年の付き合いだ。なんとかなる」


ケンジ:「分かりました。どうもあなたは止めても聞きやしない。どうかお気を付けて」


-------------------------------------------------------------------------------------------


慶次:「5分前には居なくちゃな、セルー?いるか」


セル:「主…」


慶次:「セル!おい、大丈夫か」



ふらふらとセルがもたれかかる



セル:「どうして来た…」


慶次:「どうしてって、そりゃお前と約束したからな」


セル:「君の悪い所だよ。もう少し自分の体、考えて動きなよ」


慶次:「大丈夫、大丈夫ここまで誰にも見つかってない」


セル:「逃げて…」



ずさっ(セルが崩れる)



慶次:「おいおい、しっかりしろって」


水谷:「そいつ、今まで立ってたのがビックリやぞ」


慶次:「!水谷」


水谷:「まったく、なんも気づかんとは。こんだけ周り静かやったらワシでも疑問に思うで」


慶次:(そういや、付近に人がいねえ。でも気配だけはするんだよな)


水谷:「察し悪いのお、囲まれとんやでおたく」


慶次:!


水谷:「いやー、あんたがバカ正直に来てくれて助かったわ」


慶次:「くっ」


水谷:「その女、昨日〜の兄貴が連れて来て、「あいつの情報持ってないか聞き出せ。そいつはあいつの情報屋だ。あの急ぎ方、このタイミング。それに監視の報告。しっかり聞き出せ」って言うから色々やらせてもらったわ」


慶次:「セルに何しやがった」


水谷:「本人に聞きなさいな、よーく覚えとるやろ」


-------------------------------------------------------------------------------------------


葵:「ちょっと」


セル:「何?こんなホームレスに何か用」


葵:「ああ、色々とな」


セル:「!あ、あんたは」



ドスッ(腹に拳が入る)




※ここから拷問になります。苦手な方は飛ばして読むことを推奨します


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


セル:「な、何が起こって」


水谷:「お、ようやく目ぇ覚ましたか」


セル:!


水谷:「あんた主のこと色々知ってるんやろ?あいつの居場所教えて欲しいんや」


セル:(なんとかごまかさなくちゃ)


セル:「知らないよ、彼が昨日出所したことくらいしか」


水谷:「へえ、そう。ならしゃあないわ。ケンジ、メス取れや」


ケンジ:「は、はい」


水谷:「まあまあ、べっぴんさんやからな。顔はやめといたるわ。とりあえず腕からやな」


セル:「ひっ」


水谷:「ほら、話せばなんもせえへん」


セル:「し、知らない。知らない」


水谷:「それならこうやな!」



シュー(メスが腕を裂く)



セル:「ああぁぁぁ」


水谷:「すまんなー、研げる奴がおらんからだいぶ切れ味悪いんや。さ、話す気になったか?次もう片方やで?その次が脚や」


セル:「知らない、知らない」


水谷:「じゃあやるしかないな」



セル:「ハァ…ハァ…」


水谷:「強いなあ、あいつにその体ボロボロにする価値あるとは思えんけど」


セル:「私はあるの、ハァ…ハァ…、あなたが葵さんを慕うことと似ていると言ったら分かるか」


水谷:「なるほどなあ、じゃあ根性のぶつけ合いってわけや」


セル:「そうなるね」


水谷:「俺がつらいことの中にヤクザとしてのプライドを傷つけられるってことがある」


セル:「だから?」


水谷:「自分のつらいことは、他人もつらいんちゃうかなと思ってな」


セル:「顔でも切るの?身体中塩酸にでもつける気?」


水谷:「ホームレスのプライドの折り方なんてワシは知らん。やから外でワクワクしとるオスどもにでも任せるわ」


セル:ゾッ


水谷:「ほな、話したくなったらこれ押してな」


セル:「ボタン…?」


水谷:「んじゃ、ワシは休んどるからがんばれー。ケンジ、ボタン押したら話聞いてやり」


ケンジ:「は、はい」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


------------------------------------------------------------------------------------------------


水谷:「何やったかは想像ついたやろ?最後はわしもわからんけど」


慶次:「セル、ゆっくり休んでな」


水谷:「さ、ここは囲まれとるんや。その子、それ以上傷つけたくないんやったら」


慶次:「さっき、腹ごしらえもすましたし。ぐっすり昨日は寝た。そんなことしよる間にお前を傷つけてしまった。………」


水谷:「お?やる気か?」


慶次:「全員・・・ここから生きて帰れると、思うんじゃねぇぞぉおおおお゛お゛お゛お゛お゛!!!!!!!!!!」


水谷:「んな」


水谷:(く、空気が揺れとるッ)


慶次:「水谷ぃいいいいいいいいいい!!!!!」



ゴキッ(あばらが折れる)



水谷:「う、うがッ…ゲホッ、ゲホ」


慶次:「おらぁあ゛あ゛あ゛!!!!!」



バキィッ(蹴りが腕に入る)



水谷:「ギャアッ」


水谷:(な、なんや。前戦った時と比にならん)


水谷:「ま、待て、待ってくれや」


慶次:「うぉおおおおおおお!!!!!」



ドガッ(水谷の体が2m近く飛ぶ)



水谷:「う、うぐぅお」


水谷:(死ぬ、死ぬ、こんなに死を近くで感じたん久しぶりや)


慶次:「他の奴はどこだぁあああああ!!!!!」


葵:「ここだ」


慶次:「あ?」


葵:「案外聞いてたより鈍ってないな」


慶次:「葵」


慶次:「10年ぶりだな」






第1章・終

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ヤクザ(仮 にゃみ @nyami1486

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ