ヤクザ(仮

にゃみ

序章

真木 慶次(まき けいじ)

適当に人生を歩んだ男。


星馬 高一(ほしば たかひと)

☆組組長。主の恩人


真木 葵(まき あおい)

☆組若頭。いつもは寛容だがキレると脅威。


アカネ

主人公行きつけのBARのホステス。


ケンジ

主人公の舎弟。主人公を陰ながらサポートする。


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BARにて

アカネ:「今日は機嫌いいじゃない」


慶次:「お、分かる?いやな、上手く取り立てがいってくれてよ。親父に褒めて貰えたんだ」


アカネ:「仲ええんやね、組長さんと」


慶次:「ん、ああ、良くしてもらってるよ」

「今日も小遣いまで貰っちまったし」

「困ってる人見るとすぐちょっかいかけにいくいい人さ」


アカネ:「ええねえ、あら主さん電話やって」



トゥルルルルル



慶次:「葵の兄貴からだ」


葵:「おい、お前加藤不動産には行ったのか?」


慶次:(しまった行ってなかった)

「すまねえ兄貴」


葵:「すまねえじゃねえ、お前というやつは、いつになったらしっかりやれるんだ」


慶次:「…」


葵:「楽な所にだけ行きやがって。加藤不動産にさっさと行ってこい」


慶次:「分かりました」


葵:「分かってんならさっさと行って取ってこい!今日の20時までだ」



ピッ



慶次:「はァ…すまねえ用事ができたからよ」


アカネ:「はいはい行ってらっしゃい、今日は戻ってこんの?」


慶次:「ああ、そのまま帰るよ」


アカネ:「寂しいな、また来てよ?」


慶次:「毎日来てるだろ?また明日も来るよ」


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慶次:「おーい、誰かおるか?」

「誰もおらんのか、また兄貴に怒られちまうよ」


不動産の会社員:「どなたですか」


慶次:「あー、おったおった」

「言われたもん貰いに来たで」


不動産の会社員:「知りませんね」


慶次:「え?一週間前に城戸組からブツもらっとるやろ?」


不動産の会社員:「知らないもんは知りません。特にその言われてることなんてね」


慶次:「ど、どういうことだ」


不動産の会社員:「おーいコイツをつまみだせ」


慶次:「おい、離せこの野郎」



バキッバキッ



慶次:「急に殴りかかってくるとはいい度胸してんな、舐めやがってさっさと出しやがれ!」


不動産の会社員:「ヒイィィィ!分かりました今持ってきます」

「こちらへどうぞ」


慶次:(いったいなんなんだ、いきなり警備員呼びやがって)


慶次:「失礼します」


不動産の社長:「ええ、どうも☆組の方ですよね」

「すいませんね主さん、あなたの所に渡すものはもうないんですよ」


慶次:「なんだと」


不動産の社長:「こっちにも色々あるんです、おかえり下さい」


慶次:「そういうわけにはいかねえ、しっかり取るもんとって帰らねえとまた怒られちまうからな」


不動産の社長:「まあまあ、そのままおかえり下さいよ」


慶次:「仕方ねえなあ」



トゥルルルルルルルルル



葵:「しっかり回収出来たのか」


慶次:「兄貴、それが渡してくれって言ってもダメだって言われちまったんですよ」


葵:「バカ野郎、それで引き下がるヤツがいるか!しっかりブツを持って帰ってこい!」


慶次:「てことだからさ、手っ取り早く渡してくんねえかな」


不動産の社長:「お引き取りは願えませんか」


慶次:「お引き取りしちまうと俺が死にかねないんでね」


不動産の社長:「なら無理にでも出ていって貰いますよ」


慶次:「ゾロゾロ出てきやがって、全員ぶっ飛ばしてやるぜ!」


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慶次:「ハァハァさあ出してもらうぜ」


不動産の社長:「あんたも粘るねえ」

「仕方ない出してあげるよ」



バンッ(発砲音)



不動産の社長:「チッ」


慶次:「危ねぇ!くっ、てめぇも身体に分からせねえとダメみてぇだな!」



ベキッバキッ



慶次:「分かっただろ、さっさと出しやがれ」


不動産の社長:「へへへ、もう例のものは本当にここにはないよ」

「これで俺の仕事は終わった…」


慶次:「おい、おい!ダメだな返事がねえ気絶しちまったのか」



ガサガサ



「本当にここには無いのか…一旦帰るしかないか」


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慶次:「今帰りました」


星馬:「主、ちょっとこい」


慶次:「はい」

「加藤のとこからは」


星馬:「その話なんだが」

「お前が今日行った不動産の社長」


慶次:「アイツがどうしたんですか」


星馬:「死体で見つかった」


慶次:「!ど、どゆういうことですか親父」


星馬:「20分ほど前通報があり、見つかったらしい」


慶次:「お、俺じゃありません親父」


星馬:「だがなお前しかあの場にはいなかったろう」


慶次:「い、いえ社員が数人いました」


星馬:「そいつらも死体になって見つかってる」


慶次:「そんな」


星馬:「社長と別の部屋でやられてたそうだ」

「すでにサツが犯人を探し始めてる、明日にでもお前んとこに来るだろう」


慶次:「そんな、俺どうすれば」


星馬:「主、お前を今破門する。そのまま自首しろ」


慶次:「そんな親父」


星馬:「お前にも今回のことは覚えがあるだろう」

「ならしっかり行ってこいや」

「俺は待ってるからよ」


慶次:「分かりました行ってきます…。今まで…ありがとうございました」


星馬:「ああ、出てきたら盛大に迎えてやる」

「達者でな」


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アカネ:「主さん、どうしたんだい」


慶次:「ちょっと色々あってな、今から自主しにいくんだ」


アカネ:「色々って…いったい何があったのよ」


慶次:「まあ、すぐ分かるよ」

「それじゃ行ってくる」


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10年後


慶次:「ありがとうございました」

「ようやくシャバに帰ってきたんだ」

「にしても…」

「誰も来ねえとはなあ」

「…まずは親父に挨拶にでも行くかな」


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慶次:「ずいぶん街並みも変わっちまったなあ」

「うどん屋がMacに変わってやがる」

「ん、あそこ駐車場じゃ無かったか?」

「へえ、ここのラーメン屋残ってんだな」

「広場も変わっちまいやがっていつからこんな花壇できたんだ?」

「おお、@BAR残ってるじゃないか」

「でも先に挨拶に行かなきゃな」


アカネ:「あなた、主さんじゃない?」


慶次:「ん?あんたは」


アカネ:「ようやく出てきたんだね」


慶次:「ああ今日出てきたんだ。それにしても町は変わっちまったな見たことの無い路地が多くて困っちまうよ」


アカネ:「そうか、あなた知らないんだよね」

「この町はねあんたが行ってから少したって開発が始まったんだよ」

「それでね、街並みがガラッと変わっちまったの」


慶次:「そんなことがあったのか、だからこんなに街並みが変わってんだな」


アカネ:「そうなの。ところでどこへ行こうとしてたの?」


慶次:「いや、組に挨拶に行こうと思ってな」


アカネ:「そうだったのね、事務所の場所分かる?」


慶次:「当たり前だ!」


アカネ:「変わったのよ場所」


慶次:「ん、ああそうなのか」


アカネ:「えっとね…」


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慶次:「スマホってのは便利だなあ、お、ここか」


ケンジ:「あんた、どこかで…?」


慶次:「おお!ケンジ、今から挨拶に行こうとしてたんだ」


ケンジ:「ちょっと兄貴こちらへ」


慶次:「ん?おお」


ケンジ:「挨拶には行かない方がいいです」


慶次:「どうして」


ケンジ:「親父は今いないんです」


慶次:「そうなのか、じゃあ兄貴に…」


ケンジ:「今の若頭はあなたの事を快く思っていません」

「今回のことはあなたのせいだと思われてます」


慶次:「今回のこと?」


ケンジ:「親父が行方不明なんですよ、しかもそれはあなたのせいになってるんです!」


慶次:「なんだって…?」








序章・終

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