神様、仏様。どうか。
緋彗 皇
願い事
“神はいつも私達を見守っている。”
どこぞの宗教団体か、それとも小さい頃祖父母に聞かされた話か、それとも。とりあえずどこかで1度は聞いたことのあるセリフだ。
よく友人、あるいは家族などでも「神様って居ると思う??」なんて会話した事あるのでは無いだろうか。かくいう私も友人となんとなくそんな会話をする機会が多くあった。
仮に神様が居たとしよう。この世界は神様が造って、いつも私達の事を見守って下さる。私達が願えば気まぐれに助けて下さる、そんな存在。
次に神様が居なかったとする。この世界は自然現象によって科学のもと作られ、存在しないのだから祈ったところで願いは叶わず、叶ってもそれは偶然の産物になる。
こうして考えてみると、居てもいなくても、現状何か変わる訳では無いのだ。そもそも神様という存在ですら、私達人間の虚構である。だから私はいつもこう言う。
「居てもいなくてもどっちでもいい。」 と。
ただ、こうして物書きをし、小説を読む事を好む私は続けていうのだ。
「でも、どちらでも変わらないならいて欲しいね。」
完全なる願望だ。だが先程の文でもわかるように、内容自体は変わらない。けれどどう見ても気分が良くなるのは“存在する”方だろう。特に、私のように物語に思考を巡らせる者達は“面白そうな方”を選ぶ。それは勿論、いなかったら“つまらない”から。
人は生きていく上で無意識に非現実的な事を求めている。平凡な毎日は勿論平和ではあるが、何か物足りない。
事実は小説より奇なり。とは言うが実際は小説より突飛な話などほとんど無いのだ。だから目に見えないものに希望を抱く。“もしかしたら”と。
私もその内の1人だ。想像を巡らせるのは楽しい。この自分の存在価値すら見い出せないこの世の中、こうしてないとやってられないような気さえする。
「神様、仏様。どうか、生まれ変わったら背が高くて文武両道のイケメンにして下さいお願いしますっっっっっっっっっっ!!!!!!!!!!」
神様、仏様。どうか。 緋彗 皇 @kouhisui
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