第2話 日課の日記

しばらくして物置から出て部屋に戻る。


最近は部屋の前に誰かしら大人がいるので窓から入り、部屋の鍵を静かに閉める。

一安心。


霞美は日記を書き始めた。俺は盗み見る。


『今日のあさごはんはお魚だった。

ひさしぶりに食べれておいしかった。』


いつも通り朝ごはんからの日記が始まる。

今日はおかずもあって嬉しかったのだろう。


『おうちでぼうけんしていたら、きゅうにおこられた。

おかしをぬすんだって言われたけど、ぬすんでない。』


うん、霞美のせいじゃないよ。

あのガキのせいだから、ごめんな。


『だんなさまがしんじゃってから、みんな冷たくなった。

本当の子どもじゃないからかな。

もうおうちの中でおさんぽするのやめた。

大人になるまでここで本たくさん読んでべんきょうする。』


旦那様は俺たちにたくさんの本をくれた。

ここの部屋は旦那様の元書斎でこの家の1番北側の端にある部屋。


少し寒いし昼でも少し薄暗いが、勉強するにはもってこいの部屋だ。

霞美がそう思うならそうしてあげよう。


すると、俺が自由にできるのはご飯を食べにいく時くらいか。

少し時間がかかりそうだけど準備を始めよう。


霞美が眠りにつき、俺はここをでるために必要なものを考えて紙にメモをした。


霞美、もう少しの辛抱だからな。

霞美が幸せになれるように俺頑張るよ。


布団に入り目を閉じた。

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