第14話 部屋の中の鏡
階段を上がると
なんだか 今までと趣きが違う
「敵というか 何かが現れる気配がない
静かなんだが?」
階段の扉の向こうの部屋
扉が半開きになっていた
危険!立ち入り禁止と書かれた看板がある
「え?」きょとんとするリア
なんだろう?
聞いた事がある・・・
一番 危険な部屋
そうだ この階の部屋
一番危険な部屋と聞いた 誘惑の小部屋では・・?
でも・・なんで 誘惑なんだろうか?
そうだ・・ここの小部屋は 本当に昔の侵入者用の魔法があって
どうしてだか 解除が出来なかったので つまり 本当に危険で・・
鍵をつけて 立ち入り禁止の看板を設置されていた
特に この部屋に入らなくても
すぐ傍には 上へと続く階段がある
・・・が・・なぜか 鍵が壊れて 半開きになっている
で・・開けなくていい 入らなくていい小部屋なのに
つい開けて入ってしまった リアであった
だが そこ小部屋には
大きな鏡がぽっんと置いてあるだけだった
鏡をのぞきこむと・・
そうだ!これは魔法の鏡なんだ! 見る者を誘惑して・・!!
「え?あ!」
そこには リアの隠された欲望が映し出されていた
鏡の中で 黒い艶やかな髪がさらさらと揺れてこぼれる
サファイアのような青い瞳 伏めがちの流し目で 妖しく微笑む
鏡の中に映し出されてるのは ナジュナジュ
リアに笑いかけて 自らの服のボタンをゆっくりと外してゆく
白い肌が少しづつ
露わになって・・半分服を脱ぎかけた状態を晒していた・・。
思わずまっ赤になるリア
物憂げな目をして 半開きの 唇が 何かを求めているようだった・・
白い肌に 濡れたように艶めく赤い唇
「ボクノ唇・・アナタの唇とカサナリアイタイ」
鏡のナジュナジュがそう呟く
「それ・・キス?」
鏡のナジュナジュは微笑む
「ソウダヨ」
「あ・・・」ごくんと 唾を飲み込んだ・・・。
鏡の中から手が伸びてきて
本当にリアに触れようとした
唇を重ねあった後で
鏡の中に引き込み 閉じ込める為に・・・
今にも触れようとしたその瞬間!
外から大声で ナジュナジュが叫ぶ!
「ねえ!リア 遅いけど 大丈夫!そっち行こうか?」
はた!と 目が覚めるリア
鏡の中のナジュナジュは微笑んで ふあわり・・と消えた・・。
「くすくす・・」
鏡の中から 楽しげな笑い声が聞こえ 次第にか細くなり
そして こちらも消えた
「だ・・大丈夫! ナジュナジュ! もうすぐ済むよ!」
慌てて 頭の中の先程見た幻・・
妖しい鏡の中のナジュナジュのイメージを
振り払いつつ
次の部屋のドアを勢いよく開ける
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます