コント 丁寧すぎる風俗客

ジャンボ尾崎手配犯

第1話

ホテルの一室で風俗嬢を待っている男

ドアのベルが鳴る

ものすごい勢いで駆け出す男

男「は、はい。今、参ります!」

ドアを開けると男が立っている

運転手「こんちは」

男「あ、あ……」

運転手「先に、お金ね。3万2千円」

男「あ、はい、申し訳ございません」

急いでお金を取りに戻る男

男「(封筒をわたして)すいません。これ、ちょうどです」

数える運転手

運転手「(数え終わり、後ろを向いて)みさきちゃーん」

後ろから飛び出すみさき

みさき「はーい」

運転手「ごゆっくり」

みさき「こんにちはー」

男「こ、こんにちは」

みさき「みさきでーす。今日はよろしくお願いしまーす」

男「あ、私、野村と申します。普段は飲食店にある呼び出しベルの営業をしております。今日はよろしくお願いします。(名刺入れを取り出して)あ、すいません、こ、これ、私の名刺です」

みさき「(雑に受け取って)ありがとー。これ、わたしのね。よかったらまた指名して」

男「(両手で恭しく名刺を受け取って)ありがとうございます。頂戴いたします」

ベッドに腰掛ける二人

みさき「緊張してる?」

男「あ、はい。あの、こういうところを利用するのが初めてなものですから、どうしたらよいのかわからなくて……。私、見かけによらず、人見知りでして。(頭を下げて)今日は、ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いします」

みさき「大丈夫。リラックスしてね」

男「あの、実はお土産持ってまいりました」

みさき「えー、本当? うれしい」

男「(鞄からタッパーを取り出し)本当につまらないものですが……」

みさき「これなに?」

男「みさきさんのブログを事前に拝見したところ、食事の栄養が偏っているのではないかと思いまして、誠に勝手ながら、母の作ったサラダを持ってまいりました」

みさき「うわー、ありがとー。あとで食べるね」

(間)

みさき「じゃあ、お風呂いこうか」

男「は、はい」

服を脱ぎ始めるみさき

黙ってみている男

みさき「脱がないの?」

男「す、すいません、恥ずかしくて。人前で全裸になった経験がないものですから……」

みさき「手伝おうか?」

男「あ、大丈夫です。大丈夫です。自分で脱ぎます。お手をわずらわせるといけないので……」

ズボンを脱ぐ男。

次に、シャツを脱ごうとするも肩のところでひっかかる。

男「(シャツをかぶったまま、下半身裸でうろつきまわって)あ! あ! 前が!」

みさき「手伝う?」

男「すびばせん。おねはいします」

シャツをひっぱるみさき

男「ありがとうございます。助かりました。こんなところで脱臼して救急車を呼ぶなんてことになったら洒落にならないですからね、ははは」

みさき「先、行くね」

男「はい」

風呂に向かう二人

舞台から中は見えず、声とシャワーの音だけ

みさき「かゆいところない?」

男「大丈夫です」

みさき「熱くないですかー」

男「大丈夫……あっつ、あっつ!」

みさき「あ、ごめん、熱かった? ここのシャワー急に温度が変わるんだよね」

男「あ、あ、問題ないです! 全然、全然熱くないです。こちらの勘違いで、不快な思いをさせてしまい、恐縮です」

みさき「あ、よかったー。じゃあ、おちんちん洗うね」

男「お願いします」

みさき「すごい固くなってるねー」

男「はい。固くなってます。これもひとえにみさきさんのおかげです。ありがとうございます。(間)あ!」

みさき「どうしたの?」

男「申し訳ございません、非常事態です。漏れてしまいそうです。先端まで精液が来てしまっているみたいで……」

みさき「えー、まだ早いよー」

男「今、頑張って押し戻しているところです。どうにか、どうにか。あ、失礼ですが、刺激するのを止めていただいてもよろしいでしょうか?」

シャワーの音が止まる。

男「あ、はい。今、精子が無事精巣に帰還したようです。(土下座して)私の不手際で、作業の手を止めてしまい、まことに申し訳ございません。以後、再発防止に向けて努力していく所存でございます……」

みさき「んーん、大丈夫だから。そこまでしなくてもね」

男「(顔をあげて)お許しいただきありがとうございます」

みさき「じゃあ、そろそろでようか」

風呂から出る二人

ベッドに寝る男

みさき「電気消す?」

男「差し支えなければ、そうしていただけると非常に助かります。まだ、自分の裸に慣れていなくて」

電気が消える。後は声だけのやりとり。

みさき「大丈夫? 震えてない?」

男「は、はい。あの、私、そんな風には見えないかもしれないのですが、実は性行為自体が初めてで……。あの、恥ずかしながら、いわゆる世間で言うところの童貞といいますか……」

みさき「ああ、うちのお客さん、そういう人多いから、大丈夫だよ」

男「あ、それを聞いて安心いたしました。至らない点も多々あるかと存じますが、よろしくお願いします」

みさき「んーと、キスからする?」

男「はい」

キスの音

みさき「どう?」

男「は、大丈夫です。気持ち良いです」

みさき「おっぱいはどう?」

男「あ、先程から舐めさせていただきたいと存じておりました。では、失礼します」

おっぱいを吸う音

みさき「どう?」

男「あの、30年ぶりです、おっぱいを吸うのは。母のものと比べると、みさきさんのほうが若干小さいかもしれません」

みさき「あ、そう」

男「あ、いえ、決してけなしているわけではなくて、小ぶりで吸いやすいおっぱいだと思います」

(間)

男「あの、クンニというのを一度試してみてもよろしいでしょうか」

みさき「いいよ」

男「すみません。何度もお願いばかりで恐縮なのですが、その前に電気をつけてもよろしいですか?」

みさき「電気?」

男「あの、まだ自分、きちんと女性器というものを見たことがないので、この機会にぜひとも観察できればと思いまして。向後の性生活のためにも」

みさき「うん、じゃ、つけて」

男「ありがとうございます。このご恩は一生忘れません。みさきさんの女性器を一つのモデルとして参考にさせていただきます」

電気がつく

男「(みさきの下半身をのぞきこみながら)あの、失礼ですが、どちらがクリトリスになるのでしょう? 上の方にあるとは拝聞していたのですが、実物を前にするとなんとも……」

みさき「(指で広げて)これ」

男「はあー、なるほど。これがクリトリスなんですね。噂には聞いていたのですが、こうなっていたのですね。はあー、勉強になります。女性を喜ばす場合、ここを舐め舐めすれば良いと聞いているのですが、どうなんでしょう」

みさき「うん、そーだね」

男「やっぱりそうなんですね。あ、触ってみてもよろしいでしょうか」

みさき「いいよ」

男「では」

みさき「ん!」

男「あ、あ、大丈夫ですか? もしかして、触ってはいけないところに触ってしまいましたか? 傷ついてないですか? 痛くないですか? 大丈夫ですか? 血は出てないですか? あ、今、タオル持ってきます!」

みさき「全然大丈夫だよ」

男「よかったぁ。助かったぁ。私、逮捕されるのかと思って……。(間)あの、みさきさんさえよろしければ、そろそろクンニに入りたいと思うのですが問題ないでしょうか?」

みさき「いいよ」

男「失礼します」

女性器を舐める音

みさき「(喘ぐふりをして)あ、あ」

男「あ、気持ち良いでしょうか?」

みさき「うん」

男「実は、この日のための、イメージトレーニングを何度も重ねてきまして。こう、舌を空中でれろれろさせてですね、鍛えていたんですね」

みさき「そうなんだ」

男「もう少し追加でお舐めしましょうか?」

みさき「うーん、もういいかな」

男「(がっかりして)そうですか」

みさき「そろそろいきたい?」

男「あの、みさきさんがよろしければ」

みさき「じゃあ、フェラしてあげるね」

男「あ、フェラしていただけるんですね」

みさき「うん、サービスだから」

男「ありがとうございます」

みさき「その前にゴムつけるから、横になって」

男「あ、あの、自慢ではないのですが、自分の男性器は平均よりも多少大きめだと思いますので、コンドームもビッグサイズが適切かと」

みさき「(流して)うん、そーだね、大きいのにするねー」

男「は、はい。あ、今、はまりました。ぴったしです。さすがです」

フェラを始めるみさき

男「あ、あ」

みさき「気持ち良い?」

男「気持ち良いです」

みさき「気持ち良い?」

男「気持ち良いです」

みさき「気持ち良い?」

男「もうすぐ発射してしまうかもしれません」

みさき「まだ、だめ」

男「みさきさんがそう仰るのなら我慢いたします」

(間)

みさき「そろそろいっていいよ」

男「申し訳ございません。自分、男性器が、徐々に、徐々に、しぼんでまいりました」

みさき「あれー、我慢しすぎちゃったのかな」

男「ど、どういたしましょう……」

みさき「まだ、時間あるしねー。あ、乳首とか感じるほう?」

男「あ、私、まだ乳首については未開発でして……」

みさき「じゃあ、ちょっと舐めてあげるね」

男「よろしくお願いします」

乳首を舐める音

みさき「どう?」

男「なかなか、なかなか気持ち良いです。(間)あの、よろしければ、強めに噛んでいただけますでしょうか?」

みさき「へえ、噛んでほしいんだ」

男「はい、あの、私、どうやらMの気質があるようでして、多少痛みを伴ったほうが興奮するようです。これは発見でした」

乳首を噛むみさき

男「ああ、もっと!」

もっと乳首を強く噛むみさき

男「もっとです! もっと強く!」

更に乳首を強く噛むみさき

男「あー! いい! いいですよ!」

よりハードに乳首を噛むみさき

何かが切れる音がする

男「ぬあー! ぐぉあー! うぁー!」

みさき「あ!」

男「(手で右胸を触って)乳首が! 私の乳首がない! みさきさん! 私の、私の乳首はどこですか!」

みさき「(口から血を流しながら)ごめん。びっくりして飲んじゃった」

男「そんな。消化される前に、早くトイレで出してきてください!」

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