After / Extra stories

【登場人物紹介】

 本編あとがきがわりの登場人物紹介です。概ね全力でネタバレ含むので、本編読了後に読んでいただいた方が良いかもしれません。



 ◆ ディル

 銀の髪、空の色を映す瞳(曇っていても、時間と共に変化する)。

 十四歳(二章) → 十七歳(序章、三章以降)背は、女性としては高め、分化後は平均よりちょっと高いくらい。


 生まれてすぐに、狭間の世界のとある街の「祈りの家」の前に放置されていた。幼い頃から「人の関心を引かない」という特性があり、何となく周囲から浮いていた。成長するにつれその容姿から注目を浴びることが増えたが、それでもだいたい負の感情ばかり向けられるので、他人を信用していないし苦手。でも寂しがり屋。


 森の中で、初めて自分を救ってくれたアルヴィードに、本人は意識していないが一目惚れ。たった数日過ごした彼とイーヴァルの存在だけを頼りに、その後三年を生き抜いた。

 自分で思っているよりも彼が好きだが、尖っていた頃の自分を知っている相手なので素で怒ったり拗ねたりしやすい。抱きしめられるのが好き。


 ロイのことは、ほぼほぼ恋愛感情なし、どちらかというと親愛の情。もうちょっと踏み込まれていれば……というのが別の物語で語られます。

 → https://kakuyomu.jp/works/1177354054935354814


 なお、母親とは全く似ておらず、知り合いが見ても全然気づかないレベル。父親似なのですが、その父親については、いつかどこかで描ければなあと思っています。



 ◆ アルヴィード

 短めの黒髪、金の瞳。三章以降は髪は少し長め。

 十歳(十八、十九話)→ 二十四歳(序章)→ 二十七歳(三章以降)。+三百歳ですが、眠らされていた間は成長も止まっていたのでノーカウント。

 登場人物の中で最も背が高い。百八十五くらいありそう。


 大戦の末期に人間と精霊の最後の小競り合いで里を焼き払われ、天涯孤独の身に。アストリッドからディルを「運命の相手」とされるが、本人は反発していた。

 ディルと出会ったときには、アストリッドの記憶と、自分が天涯孤独になった経緯も含めて全て封じられていた。なので、やや荒れ気味。根は素直な少年でした。


 ディルのことは、あの匂いと禁呪で興味を惹かれ、初めて出会った頃から発情気味だったが、それがまだ早いと頭では理解していた。離れ離れになってからは、黒狼の姿のまま探し続け、ぎりぎりで間に合う。

 人の姿に戻れないことにもどかしさを感じつつも、ディルが獣の姿の方が懐いているのでまあそれでもいいかと思っていた節がある。

 ロイのことは完全に恋敵と認識していたが、彼の想いを知るにつれて、それもまあありか、と少し思っていた。けれども「狩人」たちに襲われたことをきっかけに、ディルにとって自分が必要であると再認識し、自分の恋心も自覚して行動に踏み切った。


 当初もっと曲者のイメージだったのですが、再会してからはあれよあれよと素直ピュアっピュアになってしまったので、黒狼のときはまだしも、人に戻れるようになってからは、逆にちょっと書きにくかった人です。


 ◆ イーヴァル

 長い黒髪に、藍色の瞳の青年。外見年齢は人間でいうと二十代半ばくらい。

 実は黒い竜。どれくらい生きているのかわからないくらい長命。


 かつて、アストリッドの力の暴走で精霊の一族もろとも殺されかけた過去がある。が、これについては、精霊たちに落ち度があったので、自ら命を断とうとしたアストリッドを止めて、代わりに術が跳ね返る呪いをかけた。

 アストリッドは「手心を加えた」と言っていたが、彼自身はそのまま呪いをかけている。発動が弱かったのはアストリッドの力が強かったせい。


 他種族とは基本的に交わらないが、ディルのことは、庇護対象としてだけではなく実はちょっと気になっているが、アルヴィードが面倒くさいので、自分の感情にも見て見ぬふりをしているところがあった。


 前作の某竜の人とはわりと近い眷属、という設定があったりなかったりします。


 その後はしばらく三人で同居していた、というお話の構想があるにはあるのですが、いつか書けたらいいなと思っています。



 ◆ ロイ

 ほとんど黒に見える暗赤色の髪と青紫の瞳。

 十歳→十六歳(二十二、二十三話)→二十歳(二十四話)→三百二十歳くらい。外見年齢は三十五歳くらい。そこで止まっているのはそれ以上老けると何かモテなそうな気がしたから。


 大地の一族、と呼ばれる古い一族の一人。先見視は時折彼の村に生まれるが、その中でも破格の力を持っていた。自分の村の滅びを予見して、それを防ぐべくアストリッドに協力を仰ぐ。

 大戦終了後は、世界各地を薬師として巡り、人々を救うことに従事する。仕事に人生捧げちゃった人。一族の中でも長命な方で、でもあと百年くらいは生きそう。


 根は欲望に忠実で据え膳は遠慮なくいただくタイプ。なので、十六話の自制は実は彼としては奇跡的。ディルと黒狼のそれぞれの孤独を知っているので、自分の想いを自覚しつつも本編では結局踏み込めず、生涯を独身で過ごす。

 その後、ディルの子供たちの名付け親になり、その子供たちといろいろあるお話の構想もあったりなかったりしますが、まずは恋心を諦めなかったバージョンがこちらで展開中です。

 → https://kakuyomu.jp/works/1177354054935354814


 外見は、Netflixでたまたま見てた「ドラゴンズドグマ」の主人公のイメージでした(第一話しか見てない)。



 ◆ イングリッド

 豪奢な濃い金の髪と鮮やかな緑の瞳。アストリッドとほぼ同時期に同じ森の中で生まれた。彼女は初めから女性として生まれている。呪術に長けており、ロイの医術と呪術の師匠でもある。

 人を揶揄うのが大好き。度が過ぎてたまに人を破滅に追い込むこともある。魔女の呼称はそのあたりから。ロイも若かりし頃にいろいろ痛い目にあっている。

 でも本人にあまり悪意はなく、ただ面白がっているだけ。敵に回すと恐ろしいが、身内には比較的甘い。アルヴィードとイーヴァルとも顔見知りで二人のことも気に入っている。


 ディルのことは、アストリッドから事情を聞いて不憫に思っていた。姪っ子のように可愛がっているが、この人も愛が伝わりにくい。後日談として、アストリッドとロイをからかいながらわちゃわちゃしているお話を書けたらなあと思っています。



 ◆ アストリッド

 まっすぐな金の髪と、鮮やかな薔薇色の瞳。五百歳くらい。


 森の精霊として「世界に干渉する者」と予言され生まれてきたが、大きな力の証である天を映す瞳を持たなかったため、一族からは軽んじられ、時に虐げられていた。本人はあまり気にしていなかったが、とある事件をきっかけに力が暴走、多くの犠牲者を出したことで、自責の念に駆られ「死ぬための正当な理由」をずっと探していた。


 ロイに出会い、その情熱と自分の身を案じてくれたまっすぐな想いに心を惹かれていたが、自分の想いを自覚した時にはロイがすでに去ってしまっていたため、黒狼との約束を果たすべく、自分を黒狼の血を繋ぐ道具として最大限に利用しようと決めていた。

 ディルのことについては、捨てた認識はなく普通に預けて普通に育っているものだと思っていた。


 当初はイーヴァルかロイとくっつく予定だったのですが、二人ともディルがいいというので、結局独り身のまま過ごすことに……。ある意味不憫な人ですが、あんまり気にしてもいなさそう。時折ディルのところに顔を出していそうです。


 モデルは北欧神話のトリックスター、ロキのイメージでしたが、久しぶりに自分の本棚の本を整理していて、某拝み屋兼古本屋シリーズに出てくる探偵の影響を多分に受けていたことに気づいてしまいました。馬鹿呼ばわりされてますが、意外と自覚的。何しろ書いていて楽しい人でした。


 過去編がこちらに。

 https://kakuyomu.jp/works/1177354055197459392


 ◆ ルドウィグ

 茶色い髪に同色の瞳。十六歳。


 幼少期にディルに一目惚れし、何くれとなくちょっかいを出す。幼い頃はディルにちゃんと優しくして、その信頼を少しずつ得ていたが、成長するにつれ、悪友のせいでアプローチの仕方を間違え、脅すだけのつもりだった銃が暴発、大怪我を負わせて以来、徹底的に無視を決め込まれていた。


 本人は恋心を忘れられず、ディルが行方知れずになった後は「祈りの家」の手助けをするようになっていた。再会したディルに一瞬で再度恋に落ちるが、アルヴィードに抱かれる彼女を見て、即破れる。その後はディルの数少ない友人として過ごした。


 いじめっ子でしたが、情けないところが割と好きでした。実は魔力を持たないのにもかかわらず「人の関心を引かない」というディルの特性が効かなかった数少ない珍しい人という設定がありました。


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 ここまでお付き合いいただきありがとうございました。お気に召していただいた話や登場人物などありましたら、お聞かせいただけると大変嬉しいです。

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