第29話自分は何人いるの

洋子は、また納戸から別人洋子の部屋に行った

別人洋子はベットでぐっすり眠っていた。


別人洋子の寝顔を見ていると、嫉妬心で一杯だった自分の感情が少しづつ変化していくのが判った


遊ばれている「別人洋子」でも寝顔を見ているうちに自分のことのように思えてきてかわいそうになってきた


このことを別人洋子に伝えたいが伝えることはできない。

私は無力・・・・・


しゃがんでベットに頭を置いて「洋子だめだよ~伸也は!!わかって、ひどい男なんだから!!」


そう何回もおなじことを叫んでいたが、聞こえるはずもなく、もちろん伝わりもしない。


「洋子!!洋子」と何回も叫んだ


自然と涙が出てきて自分のことのような錯覚さえ覚えた。


いい加減、叫び疲れてそのまま寝てしまった。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る