仮面の男

この手をお取り 私を信じて

そうすれば君は救われる

声に瞳を上げれば

立っていたのは仮面の男

笑顔を被り 掌を差し出す


声は柔らか 笑顔は温和

慈悲深き姿で

さあ と僕を誘った


けれど僕はその手を払い

彼の横を駆け抜けた

広がる道に灯りは無くて

道標など示してくれないけれど


僕は行く たった一人でも


だって 聞こえたんだ

仮面の裏から響く

微かな嘲笑が

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