するり りりり ほろり

ひらり 夏に取り残された揚羽のように

するり 頬を撫で過ぎる涼風のように

握り締めても 想いは掌から逃げていく


とろり 太陽溶ける西の紫空のように

りりり 草葉に潜む鈴虫のように

想いは遠く近くに隠れ 伸ばした指も届かない


だからだろうか


ぽつり 薄闇に点る電灯のような

ふわり 道々に広がる金木犀のような

あたたかさを ぬくもりを


あなたを



ほろり ようやく掴んだ想いは唇から零れ落ちた

まるで 涙のように



 * * * * *



親友へ贈った詩、その1です。いただいたお題は「夕暮れ」でした。

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