モノクロの世界

閉じた瞼 裏側の黒

開いた瞳 差し込む白


見つめるのは足元落ちた黒い影

白い道をひたすら歩きながら


この世界は もう

色を無くしてしまった


怒りの赤も 悲しみの青も

微笑む緑も 弾ける黄も


前へ進むたび 一色

後ろを忘れるたび また一色

脱ぎ落として 振り落として


空ろな白の私を

かろうじて黒の輪郭で繋ぎとめて

それでも前へと進むだけ


たどり着いたこの道の最後

崖から落ちるその時に

見上げるのは何だろう


願わくば

モノクロの世界にそれでも広がっていた

黒い夜空と白い星でありますように

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