初ダンジョン
南東の街アーレンに行くまでの15日間は、前日までは依頼を受け続けることにした3人。2日目、3日目は普通に討伐依頼を受け、今日4日目。昼食を食べる前にギルドの掲示板を見ると、そこに興味深い情報があった。
「メノエイデスより南東11㎞森の中にダンジョン発生か。これは勿論行くよねリーダー」
「ああ。できることならすぐ行きたい」
「じゃあ昼食食べたらすぐに行っちゃいましょうか」
「それならさっさと昼食行こう」
それから昼食を食べた侑達は、宿に戻り急いで準備し、すぐにダンジョンへ向かった。ダンジョンまでは歩いて2時間半程度かかる。
約1時間半歩いていると、森に到達した。この森の中にダンジョンはあるのだが、ここからが長い。
「森には着きましたけど、ここってモンスターは何がいましたっけ?」
「ここならゴブリン、インテリペリウルフ、ラビット、オーガ辺りだったはず」
「ゴブリンとラビットはまだいいがウルフとオーガは面倒だな」
「考えても仕方ないし、早く行こっか。時間がかかるのはここからだし」
森に入って40分経ったとき、侑は《気配察知》により、近づいて来るモンスターに気付いた。
「前方100
「他にモンスターは?」
「いなさそう」
「それならレイナはここから狙撃、俺が前に出て、侑は魔法で攻撃。他のモンスターに気付かれると面倒だからできるだけ音と光が出ない魔法を使ってくれ」
「「了解!」」
エレンはオーガのところまで走って行き、侑はエレンとレイナの丁度中間地点まで移動した。
「かかってこいやー!」
エレンがスキルの《挑発》を発動させ、オーガの注意を引きつける。《挑発》は、壁役が使うスキルで、一定の時間相手を自分に引きつける効果がある。
「《フォートレス》」
「『フリーズチェイン』」
更にエレンは、自身の防御力を一時的に上げる《フォートレス》を使い、侑は氷の鎖を相手に付け、動きを止めさせる水属性の中級魔法を使い、弓使いのオーガの動きを止める。
「僕の魔法だとどれ使っても威力が
「分かりました!」
そして、まずは《
次の槍使いのオーガの動きを侑が止めようとし、エレンが《挑発》をかけ直す。
「『ホーリーレクイエム』 体力回復させたからもう少し耐えてくれ」
エレンに光属性の中級回復魔法をかけ、体力を80%まで回復させる。
「僕が槍使いの2体と、棍棒使いを止める。エレンが斧使いを止めて。そしたらレイナが1体ずつ仕留めていって。エレンはどれくらい止めれる?」
「最高でも15秒位だな」
「僕は1分位は止めれるから先にエレンの方を倒して」
「了解です!」
エレンの《挑発》が解ける10秒後に合わせて侑は『ナムチェイン』(痺れる鎖)で斧使いを除く3体のオーガの動きを止める。斧使いまで侑の力で止めないのは単純に侑の実力では対単体魔法では3体までにしか効果を与えることができないからだ(それでも普通の魔法使いよりかはかなり強力だが)。
「『ロックウォール』」
エレンは岩の壁で斧使いの周りを囲む。魔法は杖が無いと使えないのだが、実はそれは全てが正しいとは言えない。正確には杖に使われている魔石が無いと魔法が使えない。杖にしているのは魔法の性能を上げるためだ。そして、エレンのグレードソードには魔石が入っている。
「レイナ今だ」
「《
《
「やっと終わったな。他にモンスターはもういないか?」
「うん、いないよ。けど、血の臭いでモンスターが集まるかもしれない。特にウルフ系は鼻が良いし」
「それじゃ、10分位休憩したらすぐ移動するか」
10分程度休憩した3人は、まだ疲れが残っているのか、戦闘前より少し重い足取りで歩き始めた。その後は、モンスターと戦うことはなく(モンスターはいたが、特に問題も無かったので無視した)3時間経過した。
「侑は《魔力探知》は使えるか?」
「使えるよ」
「まあまあダンジョンには近づいてると思うから使っといてくれ」
《魔力感知》は、その名の通り魔力を感知できるスキルだ。戦闘中だと、相手が魔法を使うのが事前に分かったり、仕掛けられたトラップを見切ることができたりして、あって損は無いスキルだ。ダンジョンは、独特な魔力を放っている。なので《魔力感知》があれば見つけにくいダンジョンでもすぐに見つけることができる。
「結構近くまで来てたみたい。20M前方の木の根元の穴が入り口になってる。この感じだと、ボスは強くてもD+ランクだと思う」
「それならもう突入するか」
「よし、行きましょう!」
3人は木の根元の穴に順番に飛び込んだ。初めてのダンジョン攻略が始まった。
どうも。異世界生活はじめます 綾辻 月彦 @raijinmaru
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