冒険者
異世界転移2日目。侑はある武器屋にいた。
「杖を買わないとな。杖の1番安いのが……これか!
そうして侑は冒険者ギルドへ行った。冒険者ギルドでは冒険者登録や武器、アイテムの購入などが出来る。冒険者になると依頼を受けることが出来るようになる。
侑は聞いたことのある説明を聞き、冒険者登録を終わらせる。そして、掲示板を見て効率よくお金を稼げる依頼を探す。
「探し物系は面倒くさいから討伐系だよな。今あるのはゴブリン討伐とオーク、トロールか。トロールは魔法使えないから無理だな。じゃあゴブリンかオークか。報酬が良いのはオークだけどやっぱ最初はゴブリンかな」
こうして侑はゴブリン討伐の依頼を受けた。内容としてはゴブリン20体の討伐。ちなみに討伐系のカウントは冒険者になった時にもらう冒険者カードに記録されていく。
「よし、じゃあ行くか」
ゴブリンは近くの草原に大量にポップするのですぐに見つかる。ほとんどが5体から7体で群れるので、単体だと雑魚だがかなり面倒くさい。だが、ゲームでも何度も戦いそのステータスを引き継いでる侑の敵ではない。最初に出遭った群れをスキルも使わずに全滅させる。結局20体討伐したのは草原に入って1時間後だった。
「この辺りのモンスターならナイフだけでもいけそうだな。今回の報酬は80
この地点で時間は大体昼過ぎ。まだ時間はあったのでオークの方の依頼も受け(15体)リアルでの戦いにも慣れたのか、この40分後には終わらせたのだった。
「何しようかな。討伐系の依頼は出来るやつはもう残ってないし、特にやりたいことも無いんだよな」
暇を持て余している侑の所に切羽詰まった感じで女性が駆け寄ってきた。
「た、助けて下さい! 一緒にいた仲間がたくさんのオークに囲まれて動けないんです。襲われたときに私を逃がしてくれてそのまま…… とりあえず近くにあなたしかいなかったんです。お願いします助けて下さい」
場所を聞くとここから10分辺りの場所らしい。侑は困っている人、それも命がかかっているというのに断るほど薄情でもないし、忙しくも無い。これを了承し、急いで現場に向かう。
「私の名前はレイナです。そして今襲われているのはエレンという大柄な男性です。私は弓が、エレンはグレードソードが得意です。1週間前に組んで冒険者をはじめたばかりだったんです。あなたの事も教えてもらえませんか?」
「僕の名前は侑。冒険者には今日なったばかり。今、杖は持ってないけど元魔法使いだ」
流石に他の世界から飛ばされたなどといっても信じる人は誰も居ないと思うので一応元魔法使いということにしておく。
「元魔法使いって……ナイフだけで戦えるんですか?」
「オーク位ならナイフだけで倒せるよ」
「そうなんですか。あ、あそこです!」
前を見ると大柄な男がオークに囲まれて戦っていた。武器の性質上、単体の相手を高火力の攻撃で倒す戦い方なので群れのモンスターは相性が悪い。そのため防御に徹して戦っていた。それでもかなりダメージをくらっているようだった。
「大丈夫か! 助けに来たぞ」
「助かる。正直もう戦えそうにない。後を頼む」
オークの数は5体。確かに駆け出しの冒険者だときつい数で、むしろ、エレンは倒れていないだけかなりの才能を持っていると言える。
「スラッシュ、ステップ、スラッシュ、ステップ……」
基本のスキルを連続で使い、一気にオークを倒していく。そして、その後2分でオークを全滅させた。
「す、凄い。ナイフなのに大体3回で倒してる。普通は5、6回は当てないといけないのに」
「ああ、マジで凄い。あの数のオークを1人で。そもそもスキルって連続で使えるのかよ」
実際スキルを連続で使うのはかなりの技術が必要で、使える人は少ない。地味に侑はこの世界に来てからスキルを連続で使うのは初めてで、自分でも出来るかどうかは五分五分だった。
戦いが終わった後に2人からお礼を言われた。そして助けてくれたからと10
次の日の朝、朝食をとろうと外に出ようとしてドアを開けると、そこには見覚えのある2人がいた。侑を見た瞬間女性はある言葉を言った。
「お願いします、仲間になって下さい!」
「え?」
いきなりの言葉に驚き、侑の動きは止まるのだった。
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