笑わない君

しゃどー

夏休み

あれは一目惚れだった。

高校一年の春、俺は初めて「初恋」と呼ばれるものを経験した。

相手は夏山アリス。

髪色は少し茶色が入っていてロングヘア。

胸はCくらいで容姿に関しては完璧。

と言っていいほど美女である。

俺は地元の中学を卒業し、家の貧困な生活を困らせないために特別進学という一番優秀な生徒に与えられる称号を獲得し、地元から電車で三十分くらいのところにある名門校に合格した。

もちろんその中学からこの高校に入る生徒は俺だけだったので友達とも別れてしまった。

そして高校初めてのクラス替えの時に彼女と出会った。

俺は小説を濫読するのが趣味であったため、初日から高校の図書室の本の貸し出しに向かった。

彼女も本を読むのが好きらしく同様に図書室に来た。

その時は彼女とは同じクラスだとも、存在自体も知らなかったため興味はなかった。

一週間くらい図書室に通い、初めて彼女の存在に気づき、完璧な容姿だったため一目惚れに至った。

というわけだ。

彼女とは言葉を交わす仲にはなったが交わす言葉は挨拶などの簡単なもので知り合い程度の関係だった。

告白するタイミングも掴めず、夏休みまで月日が流れ、今俺は彼女を夏祭りに誘おうと思っているところだ。

正直すごく緊張している。

満を持して俺は彼女に声をかけた。

「よ、よければ今度の夏休み一緒にどうだ?」

彼女は驚いた様な顔をした。

「う、うん。特に約束もないしツバサくんのことも少し気になってたんだ。私でよければ、、、」

こうして俺は完璧美女と夏休みの約束を取り入れることができた。

ということだ。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

笑わない君 しゃどー @Kage77

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ