3

「意外と量、多いんですね?」

「そーなの!だからるきにも手伝ってもらうんだ〜!!」

あいりは手際が良い、俺たちにも的確に指示をくれる。

「るきは野菜切って、冬斗くんはパスタ見といて!私はソース作るから!」

「俺、和風がいいなぁ〜?」

あいりは、ため息をついて俺の方を向いた。

「るきは分かった、冬斗くんは?」

「ミートソースが好き、です。」

「じゃあミートソースだな!」

あいりは笑顔で作り始めた。

「なんでだよ〜…。」

「なんでって…冬斗くんの歓迎会だよ!!」

「まぁ、しなきゃな。」

「まぁってなに〜??」

「喧嘩はやめてください…!」


パスタはもう大丈夫になったからるきを手伝う事にした。

「るき、手伝うよ。」

「おっ、さんきゅ!包丁あっちだから!」

「わかっ………」

るきの腕に目がいく。

「るき、それって……」

るきは、慌てて隠す。

「いや〜…ん、まぁ、帰った時に色々あって。」

「帰った時??」

「あ〜ほら!それ切って!」

「あ、うん!」

俺はモヤモヤを隠しながら野菜を切っていく。

なにかあったのだろうか…??

考えていると、あいりの声がした。

「よし!!冬斗くんのは多めにかけといたげるね!」

「ありがとうございます!」

「敬語じゃなくていいよ〜!!家族だから!!」

「ありがとう!」


「出来た〜〜!!!」

るきとハイタッチをする。こんなことしたのいつぶりだろう。なんか、嬉しいな。

俺たちが作ったミートソースパスタとサラダ、美味しそうだ。

「この切り方ってるきがやったの??」

星型のニンジンが入っていた。

「ちっさい子も居るからな〜!」

「小さい子って、こまくんみたいな?」

頷くとるきとあいりは吹き出した。

「え、えぇ??なんか悪いこと言った??」

「お腹痛い〜!冬斗くん面白いね!」

「あはははっ!!こーくんに言ってみよ、あははっ!」

「う、うん…?」

「あーあ、こまくん拗ねちゃうよ〜??」

「え、待って、どうすればいいの??あいり…!助けて!」

俺は慌ててしまう、こまくんか拗ねたら大変だ。

「そんな慌てなくても!仕方ないな〜、これあげる!」

おはぎを渡される。

「小さいサイズだから、こまくんと一緒に食べなね?」

「ありがと、こまくん、おはぎ好きなんだね!」

「毎日食べてるくらい好きだよ!おはぎ!」


「ご飯、出来ましたカ?」

そうしていると、こまくんの声がする。

「あ!こーくん!ちょうど出来たところだよ!」

「みんな、呼んできまス。」


しばらくするとみんなが降りてくる。

るきとあいりは小さい子にエプロンをかけたり、スプーンとフォークを出したりしていた。


今日は、見ているだけでいいらしい。

明日からはやってもらうよ!って言われたから覚えなきゃな。

「冬斗くん!ここ!」

あいりの横に座る。


「今日は、ご飯の前に紹介したい人がイマス、」

こまくんがこっちを見る。

「はじめまして、今日からお世話になります。冬斗って言います!よろしくお願いします!」

「家族が増えマシタ。仲良く、しましょう。では、手を合わせてくださイ。」


「いただきまーす!!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る