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「意外と量、多いんですね?」
「そーなの!だからるきにも手伝ってもらうんだ〜!!」
あいりは手際が良い、俺たちにも的確に指示をくれる。
「るきは野菜切って、冬斗くんはパスタ見といて!私はソース作るから!」
「俺、和風がいいなぁ〜?」
あいりは、ため息をついて俺の方を向いた。
「るきは分かった、冬斗くんは?」
「ミートソースが好き、です。」
「じゃあミートソースだな!」
あいりは笑顔で作り始めた。
「なんでだよ〜…。」
「なんでって…冬斗くんの歓迎会だよ!!」
「まぁ、しなきゃな。」
「まぁってなに〜??」
「喧嘩はやめてください…!」
パスタはもう大丈夫になったからるきを手伝う事にした。
「るき、手伝うよ。」
「おっ、さんきゅ!包丁あっちだから!」
「わかっ………」
るきの腕に目がいく。
「るき、それって……」
るきは、慌てて隠す。
「いや〜…ん、まぁ、帰った時に色々あって。」
「帰った時??」
「あ〜ほら!それ切って!」
「あ、うん!」
俺はモヤモヤを隠しながら野菜を切っていく。
なにかあったのだろうか…??
考えていると、あいりの声がした。
「よし!!冬斗くんのは多めにかけといたげるね!」
「ありがとうございます!」
「敬語じゃなくていいよ〜!!家族だから!!」
「ありがとう!」
「出来た〜〜!!!」
るきとハイタッチをする。こんなことしたのいつぶりだろう。なんか、嬉しいな。
俺たちが作ったミートソースパスタとサラダ、美味しそうだ。
「この切り方ってるきがやったの??」
星型のニンジンが入っていた。
「ちっさい子も居るからな〜!」
「小さい子って、こまくんみたいな?」
頷くとるきとあいりは吹き出した。
「え、えぇ??なんか悪いこと言った??」
「お腹痛い〜!冬斗くん面白いね!」
「あはははっ!!こーくんに言ってみよ、あははっ!」
「う、うん…?」
「あーあ、こまくん拗ねちゃうよ〜??」
「え、待って、どうすればいいの??あいり…!助けて!」
俺は慌ててしまう、こまくんか拗ねたら大変だ。
「そんな慌てなくても!仕方ないな〜、これあげる!」
おはぎを渡される。
「小さいサイズだから、こまくんと一緒に食べなね?」
「ありがと、こまくん、おはぎ好きなんだね!」
「毎日食べてるくらい好きだよ!おはぎ!」
「ご飯、出来ましたカ?」
そうしていると、こまくんの声がする。
「あ!こーくん!ちょうど出来たところだよ!」
「みんな、呼んできまス。」
しばらくするとみんなが降りてくる。
るきとあいりは小さい子にエプロンをかけたり、スプーンとフォークを出したりしていた。
今日は、見ているだけでいいらしい。
明日からはやってもらうよ!って言われたから覚えなきゃな。
「冬斗くん!ここ!」
あいりの横に座る。
「今日は、ご飯の前に紹介したい人がイマス、」
こまくんがこっちを見る。
「はじめまして、今日からお世話になります。冬斗って言います!よろしくお願いします!」
「家族が増えマシタ。仲良く、しましょう。では、手を合わせてくださイ。」
「いただきまーす!!」
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